あなたside
どうこんばんわ雪風です
皆さん珈琲飲めますか?
私は飲めません←
砂糖だけじゃだめ、牛乳入れないと飲めん
だけどなんか今日はそのまま飲んでみよっかな
なんて思ってキッチンで珈琲淹れてる午前1時
はやく寝ろって思うよね、今日オフです
だからひたすら自由に過ごすって決めてるの
せっかくだから外で空でも眺めようかな
この前バルコニー用に椅子とテーブル買ったの
座り心地良きで気に入ってる!!
『うわ、ちょーびみょー』
『やっぱ星は見えないか、』
周辺の明かりで星は見えないし
晴れとも曇りとも言えないような微妙な空
気分的にホットがよかったから
適当に選んだ自分のマグカップに珈琲を注いできた
1口飲むと凄い苦い、さすがブラック
よくこんな苦いの飲めるな
2口目あるかな、なんて思いながら
マグカップをテーブルに置いた
最近悩みまではいかないけどなんかモヤモヤするの
自分らしさを見失ってる気がする
お芝居は楽しくて凄く好きなんだけど
掛け持ちすると忙しいし、役に入り込むから
自分でいる時間の方が多分短い
だからといって役に入り込むのが雪風スタイルだから
色々演じすぎてどれが本当の雪風だか分かんない
私らしくってなんだっけって
自問自答してばっかでちょっとキツい
ラウール「あなたちゃん?」
『らう、どうしたの?』
ラウール「こっちだったんだ」
『うん、久しぶりにね』
ラウール「部屋行ってもいなくて、
降りてきたらカーテン揺れてたから来たの」
『ごめん、で、なに、悩み事?』
ラウール「まぁそんなとこかな」
ラウール「アイス1個分だけ、話聞いてくれる?」
『ん、いいよ』
昔からこんな感じだったな
私は人に頼れないくせに周りからお悩み相談受けてた
自分の悪い所、よく分かってる
らうがくれたのはハーゲンダッツのバニラ
ちゃんとスプーンまで持ってきてくれた
しかも私の好きなカップアイス買ったら貰う木のやつ
「ハーゲンダッツ高いから普通のでいいのに」
って言ったら
「聞いてもらうんだもん、お礼はちゃんとしたので」
まだ16歳なのに大人っぽくて、私より色気あるし
「寒くなったら言ってね、毛布持ってくるから」
なんて気遣いもできる最年少
ちょっと悔しくてアイスを口に入れると
少し残っていた珈琲の苦味をかき消してくれて
何故かいつもよりも甘ったるく感じた
らうは隣の椅子に座って私の顔を見ると
ちょっと安心したように笑った
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。