第14話

#14
1,523
2020/12/06 11:43
あなたside



一つの部屋に集まるメンバーから離れ、私は一人廊下のソファーに腰掛けていた。





ふいにソファーが沈む。






きっと照が隣に座ったんだ。





顔は見えないがボロボロになった照の靴が視界に入る。





あ、この靴.......去年の誕生日にさっくんがプレゼントしたやつ........




ふとそんなことを思い出す。






不思議と涙は出ない。







「....何?」





ずっと無言のまま足元を見つめる照に声をかける。





照「...康二が来た。スマホの充電が切れてたみたい。」




「そう...よかった..」





嘘じゃない。康二が無事で本当に良かった。







でも........







照「ゴメン」




「なに謝ってんの.....」




照「....俺が.....止められなかった......」






一点を見つめたまま消え入りそうな声で、照は話し始めた。

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