第14話

告白
1,448
2020/04/02 11:03
河井ゆずる
ーうん、知ってる。
あなた
.......え?
河井ゆずる
水田から聞いてたんよ。
.......でもありがとうな。直接伝えてくれてスッキリしたわ。
あなた
河井さん.......
河井ゆずる
このツイート見たんやろ?
そう言って、河井さんはTwitterを開けて私にあるツイートを見せた。

それは、今噂になっている河井さんの彼女に関するツイートだった。
あなた
.......はい。私のせいでこんなことなってしまって.......
河井ゆずる
いや、これに関しては俺にも非がある。ほんと迷惑かけてごめんな。
あなた
いえそんな!今日は、この間お会いした時に、突然のことでびっくりして聞き逃してしまっていた私へのほんとの気持ちを知りたくて...!!
河井ゆずる
うん。
あなた
.......河井さんは...その、私のこと...どう思ってるとかあったりしますか.....?
恐る恐る聞き出してみる。
ちらっと河井さんの顔を見ると、驚く程優しい顔をしていた。
河井ゆずる
.......俺は好きやで、あなたちゃんのこと。1人の女性として。
ードクン。
河井ゆずる
俺は本気であなたちゃんが好き。でも、あなたちゃんは川西のことが好きで、川西もあなたちゃんのことが好き。ほんで付き合ってもうてる。これはもう俺の完敗やわ
と、彼は少し弱ったように笑った。
あなた
河井さん.......
河井ゆずる
安心して。さっきラジオの収録やってんけど、あの噂についてはちゃんとほんまのこと言って否定してきた。
あなた
ほんまのこと?
河井ゆずる
あの日女性といたのは本当ですが、その女性とは友達関係であり、久しぶりにお会いしたのでお話をしていました。その方とは一切恋愛関係等ではなく、僕の彼女でもなんでもございません。その女性は既に交際相手さんがいてますって。
あなた
そうだったんだ.......
河井ゆずる
川西にはほんまに悪いことしたし、2人の関係が悪くなるようなことしてしまった。だから、俺からも川西にこのことちゃんと話すし、あなたちゃんからもしっかり伝えて欲しい。多分川西は今頃、ほんまに俺らが付き合ってて、あなたちゃんが浮気してるって思ってるかもしらんし!
あなた
は、はい!わかりました。
河井ゆずる
.......ほんで、もう一個俺からのお願いがあるんやけど...
あなた
はい、なんですか?
河井ゆずる
忙しいとは思うけど、なるべく2人でおる時間を作って欲しいんや。あいつ結構寂しがり屋なところあるし、この間も劇場で正月のネタ番組のときに見かけてんけど、えらい元気無さそうにしてたから。まぁ疲れてるとかもあるやろうけど。
あなた
そうなんですか...わかりました。
河井ゆずる
あなたちゃん。
ゆずるさんはそっと私の手を両手で包み込むように握りしめた。
河井ゆずる
.......賢ちゃんを頼んだで。
あなた
っ.......はい!




ーそれから河井さんとの食事を終えて、自宅へ帰ってきた。




ソファに腰をかけて、ふぅ、と息をつく。

河井さんが、あんなにも私のことを好きでいてくれてたなんて.......




すると、ヴーヴーと携帯が鳴っていた。
液晶画面を見ると、【川西賢志郎】の文字。
あなた
(かっ、川西さん.......っ!)
ドキン、と鼓動が大きく早鐘を打つ。


川西さんと話すのは久しぶりなので、少し緊張気味に『もしもし?』と電話にでる。
水田信二
ーあ、あなたちゃん?
.......え?水田さん?
これって、川西さんの携帯じゃ.......
水田信二
落ち着いて聞いてほしいねんけど、今大丈夫?
いつもの水田さんとは違って、凄く深刻そうで少し早口で話した。
あなた
はい、どうしましたか?
水田信二
ー賢志郎が交通事故にあったんや


...................え....??

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