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第17話

【16話】小さな幸せ
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2021/01/12 16:35
(※これは16話です。)


【川西side】

『けんしろー!川辺まで競走しよーや!』
『ええよ!よぉい、どんっ!』
ー俺は、小さい頃から外で遊ぶのが大好きだった。
『大丈夫!?おいっ!血ぃでてるやんけ!?まっとけ、今から母ちゃん呼んでくるからな!』
ー友達と川辺で石遊びしていたときも、頭に針を縫うほどの大怪我をしたこともあった。
『どうしたの?大丈夫?』
そのときは頭が切れた痛さからよく覚えていないけれど、誰かが前に表れて俺の顔を心配そうに覗き込んできた。
『っ.......?』
視界がぼやけて、声も遠くにしか聞こえなかったけど、3歳くらいの子供を連れたお母さんが電話を掛けていた。


その数分後に救急車のサイレンがなって、俺は病院に運ばれたんやっけ。
『賢志郎、何があったか説明して。』
『せやから言うてるやん、俺がたまたま投げた石があたったんかもしれんし、友達は悪ないねんて。』
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『ーそういうて全然あの石投げのことは頑なに詳しく話さんかったなぁ。』
電話越しで、母は懐かしそうに笑った。
川西賢志郎
そやな、そんなこともあったわ。
『でも、なんかの縁か知らへんけど、救急車呼んでくれたんがたまたま東大阪に旅行来てた若いお母さんやったんよなぁ。おかげで早い段階で病院行けて。』
川西賢志郎
へぇ、その話初めて聞いた。
『そうやで!せやし今回の事故も奇跡的に軽傷で、あんた何かと德がある子なんかもな』
“德がある”、か。

なんか似たようなことを水田もよく口にするけど、そうなんやろか。

自分ではよく分からんけど。
『あ、そうやそうや!あんた上手いこと行ってるん?彼女と♡』
川西賢志郎
はっ?何でおかんが知っとんねん!?
『ちゃんと水田くんから聞いてるで!』
川西賢志郎
(あいつ.......)
『結構年下の子やねんて?上手いこといってるん?』
川西賢志郎
心配せんでええよ、すごいしっかりしてる子やし、ええ子やから。
『そうか、よかった。大事にするんやで!』
川西賢志郎
わかってるって。.......ありがとう
おやすみ、と言って通話を切った。

病室から外を眺める。月が綺麗に輝いていた。

母が嬉しそうに昔の話をしていたとき


ちょっとだけ心が温まった。嬉しかった。



ほんのちょっとの幸せ。

これが毎日続けば、それでいい。


そう思えた。





ー旅行まであと一週間。