今日もいい天気。絶好の行楽日和。
とっつぁんからチケットを貰ったので神楽を誘って遊園地に来ています。
そう言って神楽が指さしたのはジェットコースター。
というわけでポップコーンを買って長ーい列に並んだ。
これすごい!!一回転とかしてるし!!
とジェットコースターに気を取られていると、
あれ?ポップコーンが空。
視線を神楽の方へ向けると、
リスのように口いっぱいにポップコーンを詰めていた。
神楽の顔はいつもの可愛い顔からは想像がつかないくらい大変なことになっていた。
スタッフ「お客様?何名様ですか?」
思ったよりはやくジェットコースターに乗れるみたい。
神楽、ポップコーン食べたばっかだし吐かないかな…笑。
カタカタカタと登っていき気づけば頂上。
前を見ると落ちる寸前だったのだ。
落ちて一回転してグネグネして、また落ちて…
ジェットコースターに乗り終わり__
メリーゴーランドに乗って、フリーホールに乗って、お化け屋敷に観覧車にも乗って気づけばもう夕方。
時間なんて忘れて閉まっていてあたりは暗くなり始めていた。
広場の時計をふと見ると…
5:45
いやなんでもなくない。
自分の顔が青くなっていくのが自分でもわかった。
門限が6:00だということに気がついたからだった。
屯所まで25分ほどかかる。
帰ればトシ兄が絶対怒ってる。
屯所につきただいまの時刻6:05
5分間に合わなかったのでありますよ。
恐る恐るもんを開けて帰ると__
と恐る恐る聞いてみた。
あれ?怒ってないのかな…。
それならいいんだけどね。
恐る恐る食堂に行ってみると、数人の隊士そしてトシ兄がいた。
トシ兄はいつもどうり犬の餌と呼ばれるものを食べていた。
私はいつもの席に座ってご飯を食べ始めた。
すると、ご飯を食べ終わったトシ兄が近づいてきて
いつも以上の低い声で言われたのでつい敬語になってしまった。
やはり怒っているのか…
こうなる事は分かっていたけどやっぱり怖いわ!!
そんなことを考えながらご飯を食べ終わった。
私は心の準備をしてトシ兄の部屋へむかった。
屯所ではお説教の時は必ず正座することが暗黙のルールとなっている。
私は静かに正座した。
マジマジと見るとやっぱり怖い。
瞳孔開いちゃってるし。まぁいつもだけど。
とてもじゃないけど目を見れない。
___ひぃぃ!!
お怒りですよ、副長お怒りですよ。
なぜって…言われても。
トシ兄が怖いからに決まってんじゃん!!
するとトシ兄は溜息ついて言った。
そして頭をかきながら言った。
もしかして最初から怒ってないんじゃ…
そんな期待もすぐに消えた。
・・・えっ。
ええぇぇぇええ。
と半ば強引に部屋を追い出され
自分の部屋に行くためとぼとぼ歩いていると__
あの顔は人を馬鹿にする時の顔。
あいつ全部聞いてたのかよ。
振り返るともう総悟兄の姿はなかった。
次の日___
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。