飛鳥が家を出て言ってから4日が経った。
俺は、撮影があった為、一日中、家を出ていた。
午前中に1本の電話が入っていたことに気づかなかった。
飛鳥からの電話だった。
かけ直したが、応答はなかった。
仕事先から出たのは、7時頃だった。
いつものように、自宅のポストを見てみると、
1枚の手紙が入っていた。
飛鳥からだった。
名前を見た瞬間、すごく不安に陥った。
別れ話だったらどうしようと。
とりあえず、その場で手紙を読むことにした。
ーあなたくんへー
飛鳥です。勝手な行動をして、ごめんなさい。
前に置いてあった手紙の通り、本当にあなたが好きなのか分からなくなっていました。
クラスが離れてから、家にいても会話は減りましたね。去年は、一緒のクラスだったから、共通の話題があったし、学校でもあなたの近くに居れた。
あなたは、すごい優しい人だなって思ってます。私がしつこい人が嫌いなのを知ってて、私の居場所を確かめるために1回だけ実家にかけてきましたね。正直、何回もかけて来ると思ってた。
まいやんに相談したのも聞きました。どうか、自分を責めないでください。
今までありがとう。家に帰ってきてください。
ー飛鳥よりー
とりあえず、家に入ろう。
俺が、早く飛鳥に謝らなかったのが悪いんだ。
なんで、早く動かなかったんだろう。
ガチャ
部屋の明かりが付いていて
玄関に飛鳥の靴があった。
俺は、急いでリビングへ向かった。
ガチャ!
リビングのソファーで、テレビを見ている飛鳥がいた。
飛鳥と目が会った瞬間、涙腺が崩壊した。
俺は、その場に崩れ落ちた。
ギュッ
飛鳥を強く抱き締め、子供のように泣きじゃくった。
飛鳥が手を差し伸べる
ギュッ
強く握った手は、いつものように恋人繋ぎになっていた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。