第9話

◎あなたに恋をしたんだ Eve side
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2018/11/02 11:30
Eve side.

今日は、僕のワンマンライブ。
チラッと外を覗いてみたけど、めっちゃ人いた…
どうしよ、ちゃんと出来るかなぁ。緊張する…

そんなことを思っていると、誰かが僕の楽屋のドアをノックした。
澤田 涼
Eveくん~、入るよ!
Eve②
べだくん!どうぞ~
べだくんか、そういえば来てくれるって言ってたなぁ。
ドアが開き、べだくん…と、もう1人女の子が入ってきた。

誰だろ、べだくんの彼女さんかな?
そう思っていると、その女の子は、僕を見るなり目を輝かせて
あなた
Eveさん!?
と叫んだ。

え、何、べだくん ここに僕がいるって説明してなかったのかな?
え、どういうこと?
Eve②
あれ、べだくんその子どうしたの?
とりあえずその子のことを知るために、べだくんに聞いてみた。
澤田 涼
あー、この子?この子ね、Eveくんの大、大、大ファンだよ!
そうなんだ、でもさっきからすごい疑わしそうな目でこっちを見てるんだけど…
Eve②
ほんとに?ありがと~◎
でも、本当に僕のファンの子なら、それはもう感謝しかない。
澤田 涼
ん?どうしたの、固まっちゃって。
…あ、そっか、説明してなかったね。
俺、実は歌い手のInvaderTとして活動してるんだ
あなた
えっ、涼さんがべだくん!?
澤田 涼
そうそう、黙っててごめんね
え、べだくんそこから説明してなかったんだ。
そりゃ僕がここにいることも説明してないよね。
ようやく状況が分かってきた。
あなた
いや、あの、ちょっと理解が追いついてないです…
澤田 涼
まぁ普通はそうだろうねw
それで、こっちにいるのがEveくん。本物だよ
Eve②
どうも~、Eveです◎
あなた
え、本当にEveさんなんですか…?
Eve②
本当だよ~w
僕 顔出ししてないから本物なのかイマイチ分からないんだろうなぁ。
そんなことを呑気に思っていると、いつの間にかその女の子が泣いていた。
澤田 涼
えっ、あなたちゃんどうしたの!?
あなた
すみません、Eveさんに会えて本当に嬉しくて…
あなた。聞き覚えのある名前。

…思い出した。いつも僕の動画にコメントをくれる方だ。
僕が今ほど人気のなかった頃も、すかさず動画にコメントをくれて、ツイキャスの時とかもいつも聞いてくれてた子だ。
今は、僕なんかに会えたぐらいで泣いてくれてる。

色々なことを思ってからあなたさんを見ると、僕まで泣けてきた。
Eve②
え、泣かないで…(´;ω;`)
澤田 涼
何でEveくんまで泣きそうになってるのw
Eve②
だってぇ(´;ω;`)
あなた
うわぁぁぁ私が泣いたばっかりに…
すみません(´;ω;`)
Eve②
良いんだよ(´;ω;`)
澤田 涼
何この状況w
ていうか、泣いてる場合じゃないでしょ~
あなたちゃん、Eveくんに何かして欲しいこととかないの?
その為にここに連れて来たのに…
あなた
えっ、何かしていただいても良いん
ですか?
Eve②
全然良いよ~◎
あなた
…じゃあ、じゃあ、ここにサインしていただいてもよろしいですか!?
丁寧な口調のあなたさんが差し出したのは、はらぺこ商店のスマホカバー。
Eve②
言葉遣い丁寧だねw
あ、宛名とか書く?
あなた
じゃあ…『あなたへ』って書いてください!
Eve②
わかった~。
はい、どうぞ!
あなた
うわぁぁぁあ、ありがとうございます!!
え、私 今生きてます…?
澤田 涼
生きてるから大丈夫w
他に何かして欲しいこととかない?
あなた
えっと、えっと…
あ!握手してください!
Eve②
おっけ~◎
あなたさんの手は緊張しているのか震えていて、なかなかこっちに手を出すことができない。
これは僕からいくしかないよね。
あなた
あぁぁぁ、大好きです…!
一生応援します(´;ω;`)
Eve②
ありがと~、もう泣かないでw
あなた
はい(グスン
本当にありがとうございます…!!
本当に本当に、僕なんかのことを好きでいてくれてるんだな。
澤田 涼
もうして欲しいことない?
あなた
もう十分幸せです(´;ω;`)
あなたさんがそう言ったあと、べだくんが何か考えてから「良いこと思いついた!」とでも言うように口を開いた。
澤田 涼
…あっ、じゃあ最後にこれだけ。
俺からEveくんにお願い
Eve②
ん、なになに?
澤田 涼
この子にハグしてあげて
あなた
えっ、そんな恐れ多い…
Eve②
全然大丈夫だよ~、はい、おいで!
普段なら少しためらうところだが、何故かこの子の場合はすんなり許せた。
この子の愛情が真っ直ぐ伝わってきたからか、それともただ単に僕がこの子を気に入ったのか。

僕が両手を広げると、あなたさんが飛び込んできた。

ギュッ
あなた
うわぁぁぁEveさんだぁぁぁ
澤田 涼
今更かw
僕に抱きついてとても嬉しそうにしているあなたさんを見ると、何だか僕まで嬉しくなってきた。
Eve②
あはは、この子可愛いねw
澤田 涼
でしょ、俺の自慢の後輩
あなた
涼さんありがとうございますぅぅぁぁあ(´;ω;`)
澤田 涼
怖い怖いw
あなた
大好きですぅぅぅ(´;ω;`)
Eve②
…っ////
そうやって僕にずっとしがみついているあなたさんがとても可愛くて、僕は思わずあなたさんの頭を撫でていた。
Eve②
泣かないで~。よしよし
あなた
うわぁぁぁ、ここ天国ですか!?
澤田 涼
いやここ東京。めっちゃ東京
あなた
一気に現実に戻さないでください
(´;ω;`)
澤田 涼
あははw
べだくんが笑っている。
笑っているけど、何だか目は笑っていない気がした。
澤田 涼
よし、じゃあそろそろ行くか!
グッズも買いたいでしょ?
あなた
はい、片っ端から買い尽くします!
Eve②
ありがと~◎
澤田 涼
それじゃEveくん、ライブ楽しみにしてるね~
Eve②
うん、ばいばいべだくん!
べだくんとあなたさんが僕の楽屋から出て行く。
Eve②
…ふぅ~
顔に出さないようにはしてたけど、ちょっときつい…
帰ってくれて良かったけど、もうちょっといたらべだくんにはバレてたかもな。
どうやら僕は、


















































あなたさんに一目惚れしてしまったらしい。


























今日のライブはあなたさんも見てくれるんだ。



これは頑張るしかないよね。