姐さんは手際良く牛肉を切る。
料理は慣れているのだろうか。
今度はナイフを空中で一回転させてみる。
…凄い。
驚きながらも
何度もナイフを空中回転させる姐さん。
…ナイフの扱いには慣れているのだろう。(色んな意味で)
ニンジンを適当に切る。
結構料理は得意な方で、
前は一時期シェフもしていた。
…まぁ、あんな所二度と御免だけど。
そう言うと姐さんは私に近づく。
そんな事は一度も意識した事が無い。
そうなんだ…
料理も一段落して、2人でお茶を飲む。
いきなり物騒な事を言って笑う姐さん。
正直その声と笑顔には殺意がこもってて怖かった。
時計を見れば、もう6時半をまわっていた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!