___ 次の日
陽菜との待ち合わせ場所はいつも
家の近くの公園。
時間を見ると集合時間の5分前だった。
急いで家を出て公園に向かった。
公園に着いた時
彼女の姿はそこにはなかった。
15分くらい経っても来なかった。
陽菜の家に行ってみると
彼女はもう家を出たと言っていた。
(くそっ、どこだよ…陽菜…!)
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ある公園の近くで陽菜を見かけた。
彼女が歩くのを辞めて、周りをキョロキョロし出した。
(やっぱり陽菜だ…)
俺は急いで陽菜の元は走った
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陽菜を見つけて彼女の腕を掴む
彼女は驚いた顔で俺を見ていた
怒りたいわけじゃない。
でも…、不安になった。
心配だった。
陽菜が居なくなることが怖かった
怒ってると思わせてしまったのだろう。
陽菜が少し体をビクッとさせた。
約束を守らなかったことに対して言っているわけじゃない。
陽菜が一人でこんなところまで来ていることがとても心配だった。不安だった。
ただ、それだけなんだ。
俺は短気だから彼女に対して
口調が強くなってしまうことがある。
誰よりも大切な人なのに傷つけてしまう。
それが怖いんだ。
彼女が謝ろうとしたとき
俺は彼女を抱きしめていた。
体が先に動いてしまった。
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ハッとして陽菜から離れようとした時
俺の耳元で陽菜はこう言った
(え、今なんて…)
驚いて俺の体が少しビクッとする。
彼女の体から離れて顔を背ける。
(え、今…好きだよ…って…)
顔が少しずつ熱くなる。
耳まで赤くなっているんだろう。
泣きそうな笑顔と
日に当たって少しだけ
茶色く見える彼女の髪
少しだけ震えている小さな手。
俺が陽菜を守らないといけない
俺は陽菜の傍に居たい
俺は陽菜が ____________
忘れられるわけない。
陽菜が口にした、俺への想い。
俯いて震える声でそう呟く彼女。
それは無理だと言った。
忘れたくないと思った。
俺がそう言うと、彼女は
昨日女の人といたところを見たと言う。
(あ、志那のことだ)
やっぱり志那が見たのは陽菜だったんだ。
俺は誤解を解くために、
あれが志那だと言うことを説明した。
すると彼女も勘違いだったことに気づき、
ホッとしていた。
彼女は顔を赤くして頷いた。
こんな嬉しいこと今までにあっただろうか
好きな人が自分のことを好きって
こんなに幸せなことなんだと気付いた。
俺は彼女をギュッと抱きしめる
信じられなくて何回も聞いてしまう。
夢みたいで、何回も確かめてしまう。
そう言って笑う彼女は
眩しくて美しかった
________________ 陽菜
陽菜の傍に居たい
陽菜を笑顔にしたい
陽菜を幸せにしたい
俺も陽菜が好きだよ _______________
彼女に向けた2回目の告白は
ぎこちなくなかったか…?
ちゃんと言えてた?
口下手で照れ屋だから
ちょっと不恰好かもしれないけど
真っ直ぐ言えてたか?
陽菜は笑顔で
と、答えてくれた。
幼馴染から恋人に変わった瞬間。
今でも忘れない、大事な瞬間だ。
______ 陽菜
俺の気持ち受け取ってくれてありがとう。
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hoshiumi korai side end...
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!