第8話

page 8
564
2020/12/20 00:24
光ちゃんが好きだと気づいてから約1ヶ月。
今日からインターハイが始まる。
馬渕 陽菜
馬渕 陽菜
…モモ
河合 桃香
河合 桃香
どうしたの?
私はモモに光ちゃんが好きだと気づいたことをまだ言えてなかった。
馬渕 陽菜
馬渕 陽菜
あの…
河合 桃香
河合 桃香
ん?
馬渕 陽菜
馬渕 陽菜
あのね、私…
河合 桃香
河合 桃香
陽菜、もしかして…
馬渕 陽菜
馬渕 陽菜
ん?
河合 桃香
河合 桃香
光来くんのこと、好き…なの?
モモにそう言われて
私の顔が一気に赤くなった。
熱い、夏の太陽に照らされて
とても暑いのに、さらに…熱くなる。
河合 桃香
河合 桃香
やっぱり!!!
馬渕 陽菜
馬渕 陽菜
…学祭の時に、気づいちゃって
河合 桃香
河合 桃香
だって陽菜
ずっと光来くんのこと見てたもんね!
馬渕 陽菜
馬渕 陽菜
好きだけど、好きなんだけど…
どうしたらいいか分かんなくて…
今日だって勢いで来たようなもんだし
河合 桃香
河合 桃香
…大丈夫だよ、きっと
モモにそう言われて少しだけ安心した。

____________________

試合が始まると光ちゃんは
いつもの光ちゃんとは違って
大きく頼もしく見えた。

(いつの間にこんな大人っぽくなったの?)

隣にいたのに気づかなかった彼の想い。
そして、私の本当の気持ち。

光ちゃんを見る度に彼に惹かれていった。

__________________

試合は0-2で負けてしまったが
とてもいい試合だった。

光ちゃんはとても注目されている選手で
取材陣に囲まれたり
女の子たちから「光来くーん!」と呼ばれていた。

(私も光ちゃんと話したいのに…)
星海 光来
星海 光来
陽菜?
そう思っていると後ろに彼がいた。
馬渕 陽菜
馬渕 陽菜
え!光ちゃん!?
星海 光来
星海 光来
なんだよ
馬渕 陽菜
馬渕 陽菜
い、いや!!なんもないけど…
星海 光来
星海 光来
今日、来てたんだな
馬渕 陽菜
馬渕 陽菜
応援、しに来た…
星海 光来
星海 光来
ありがとな!
無邪気に笑う彼はとても可愛かった。
昔からと同じだけど、大人っぽくなった彼に
ますます惹かれる。
馬渕 陽菜
馬渕 陽菜
光ちゃん…
星海 光来
星海 光来
…でも、負けてごめん。
馬渕 陽菜
馬渕 陽菜
え?
星海 光来
星海 光来
勝って陽菜にかっこいいとこ
見せたかったのにな…
そう言って困ったように笑う彼。
人が少ないとこでよかった、と私は思った。
そして彼を抱き寄せた。
星海 光来
星海 光来
え、ちょ、陽菜?!
馬渕 陽菜
馬渕 陽菜
…光ちゃんっ
星海 光来
星海 光来
なんだよ…
馬渕 陽菜
馬渕 陽菜
うわぁぁんっ…
星海 光来
星海 光来
泣くなよ〜!
そう言って彼は少し離れて
私の涙を拭ってくれた。
馬渕 陽菜
馬渕 陽菜
光ちゃん…っ、光ちゃん…っ
星海 光来
星海 光来
ん?
こうやって「ん?」と
優しく聞いてくれるところも好き。


























_____________________
______ 光ちゃんの全部が大好き。





















__________________
星海 光来
星海 光来
なあ、陽菜
馬渕 陽菜
馬渕 陽菜
…なに?
彼は私を抱きしめた。
馬渕 陽菜
馬渕 陽菜
……光、ちゃん…?
星海 光来
星海 光来
俺、陽菜が好きだ
その言葉はまっすぐ私の胸に届いた。




































__________________








































私の顔を見ながらもう一度彼は言う。
星海 光来
星海 光来
俺、陽菜が好きなんだ
と、満面の笑みで _________

プリ小説オーディオドラマ