光ちゃんが好きだと気づいてから約1ヶ月。
今日からインターハイが始まる。
私はモモに光ちゃんが好きだと気づいたことをまだ言えてなかった。
モモにそう言われて
私の顔が一気に赤くなった。
熱い、夏の太陽に照らされて
とても暑いのに、さらに…熱くなる。
モモにそう言われて少しだけ安心した。
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試合が始まると光ちゃんは
いつもの光ちゃんとは違って
大きく頼もしく見えた。
(いつの間にこんな大人っぽくなったの?)
隣にいたのに気づかなかった彼の想い。
そして、私の本当の気持ち。
光ちゃんを見る度に彼に惹かれていった。
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試合は0-2で負けてしまったが
とてもいい試合だった。
光ちゃんはとても注目されている選手で
取材陣に囲まれたり
女の子たちから「光来くーん!」と呼ばれていた。
(私も光ちゃんと話したいのに…)
そう思っていると後ろに彼がいた。
無邪気に笑う彼はとても可愛かった。
昔からと同じだけど、大人っぽくなった彼に
ますます惹かれる。
そう言って困ったように笑う彼。
人が少ないとこでよかった、と私は思った。
そして彼を抱き寄せた。
そう言って彼は少し離れて
私の涙を拭ってくれた。
こうやって「ん?」と
優しく聞いてくれるところも好き。
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______ 光ちゃんの全部が大好き。
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彼は私を抱きしめた。
その言葉はまっすぐ私の胸に届いた。
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私の顔を見ながらもう一度彼は言う。
と、満面の笑みで _________
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。