恋文筆弁士の仕事を数多く、こなして来たヤツメだが、答えなき難題が…
多過ぎるんだ
フーーン
なるほどそこで、俺の事を知ったのか…
そう、彼女は一週間前、ここに訪れたあの中年の男性から、恋文筆弁士の事を耳し、ヤツメに助けを求め、訪れていた。
彼女は、目を閉じゆっくりと話し始めた
その時彼女は、思いもよら無い、彼の優しさに触れ、患者とは思えないほど、紳士的な振る舞いに、心を奪われだと言う
彼の手術は、無事成功する。「私達は、ゆっくりと愛を育んで行く事を約束したの」「二年半かかったわ」「私の両親を説得するのに」「母親は、何故わざわざ、大変な道に足を踏み入れるのと言い」「父親は、辛い思いをお、前にはさせたく無いと言う」
「そんな二人を、私は必死で説得したの」「両親が、頷いてくれた時」「本当に嬉しかった」
それから半年の月日を重ね、彼等は明日、はれて婚約の日を迎える筈だったと、、、
だが、その数日前に、彼等に悲劇が襲いかかる。
残念ながら、彼氏の病気が再発してしまい
彼の親は、彼女の事が、余りにも気の毒に思い、婚約を解消する事を決意する。
彼女は、病気の彼氏の励みと、自分の幸せ為に、僅かな希望に掛け、結婚を決意する。
「何とか私と、彼との愛を」「つなぎ止めてくれませか」「恋文筆弁士のあなたの力で」「お、お願いです」
彼女は、震えた声で、祈る様にヤツメに依頼する。
今にも失いそうな、希望光を、恋文筆弁士のヤツメに託す。
「三日貰いたい」そう言うと、ヤツメは、この無理難題とも思える依頼を、引き受ける。
彼女が、この家を去った後、すぐさまヤツメは、古い書物を手当たり次第読み返す。「盲目の者に、恋文をか」「厳しな」「何とかしたい」「どの本にも、ヒントすら無い」
今日は、文華との初めてのデートの約束が有った。
「約束の時間まで、後二時間か」「まだ出かけなくても大丈夫だな」「もうちょい探して見るか」
ヤツメはそう言うと、再び書物を大量に保管する居間に、足を運そび、数多く書物の中より、一冊の本を手取り目を輝かせる。
ヤツメは、時間を忘れ、その書物を必死になって読み解き始める。
その時
寒空の下、絶対にヤツメは来ると、信じて、待つ文華、、、
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。