あなたside
今日も早朝からの現場
ソウルの外れにある
古めかしい洋館をまるごと貸し切って
カムバの為の写真撮影だ
昨夜、
ジョングギを降ろしたあと
深夜も深夜にホテルに戻って
さっさと寝てしまおうと思ったけど
やり残した仕事があることに気づいてしまい
結局ベッドに入ったのは
出発しなきゃいけない時間の3時間前だった
究極の寝不足
車の運転もかなり慎重に
今朝、ジョングギをこの現場まで送迎した
衣装に着替えてメイクも済ませたテヒョンが
心配そうに私の涙袋の辺りを指で撫でた
昨日の夜も
日課となりつつあるビデオ通話をかけてきたテヒョン
少し話したけど
私も仕事が残ってるし
大事な撮影があるから明日に備えて早く寝て、と
無理矢理電話を切っていた
そんなテヒョンの言葉が聞こえたのか
ジョングギとユンギさんがこちらにやってきた
ずっと心配そうに私のほっぺを撫でていたテヒョンが
今度は私を抱きしめながら
よしよしと背中を撫で始めた
ハグする腕にきゅっと力が込められる
呆れたようにユンギさんが笑っている
“僕と一緒にいるのが
あなたは1番安心出来る”
そんな感じのテヒョンの口調
テヒョンとジョングギが
なんかギャーギャー言ってたけど
そんな声もなんだか遠くに聞こえる
久々に感じるテヒョンの体温に
本当に安心してしまった私は
抱きしめられた腕を振り解くこともせず
立ったまま、
思わずうつらうつらとしてしまう
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!