第8話

無駄
129
2021/05/14 12:33
志麻side
月崎 志麻
ふぁぁ
黄百合 センラ
志麻くん大丈夫?寝てる?
月崎 志麻
あー寝てる寝てる。
嘘だ。昨日の夜はレポート書いててほぼ寝てない。
黄百合 センラ
無理せんといてや。俺なんかのために…
月崎 志麻
なんかやないよ。センラやから俺は…
黄百合 センラ
ゲホッ!ガッ…ゲホッゲホッ!
センラが口を押さえて咳をする。
月崎 志麻
だ、大丈夫か!?
黄百合 センラ
あ…大丈夫…ほんとに…ゲホッゲホッ!
月崎 志麻
センラ…
黄百合 センラ
心配…ゲホッ…せんといてッ…ゲホッゲホッ!
ゲホッゴホッゴホッゴホッゴホッ!!!!
ポタポタポタポタ…
激しくせた後、センラの手から血が零れた。吐血だ。
月崎 志麻
センラ!?
だ、誰か!!!!誰かぁ!!!!
うらた先生!!!!坂田!!!!
浦田 渉
何事ですか…!?黄百合さん!?
黄百合 センラ
ヒュー…ヒュー…ヒュー…
浦田 渉
大変だ…坂田!
坂田 優
はい!
浦田 渉
すぐに緊急治療室へ!!!!
坂田 優
わかりました!
月崎 志麻
センラ!大丈夫か!?辛いよなッ…苦しいよなッ…ごめんなっ!気づいてやれなくて…ごめんなぁ!!!!
浦田 渉
…ッ
うらたと坂田、そして数人の医師が緊急治療室へと消えた。
月崎 志麻
(神様…どうかお願いします…あと少しだけ…もう少しだけ彼を連れていくのをお待ちください…!お願いします…お願い…します…!)
その祈りは…後に無駄であったと気づくのだった。

プリ小説オーディオドラマ