第14話

12話
55
2020/04/21 18:29
アルドside
あなたの母さんの後ろを黙ってついて行く。
さっきあいつなんか変だったよな…?

なんかあったのか…?
アルド
アルド
……あの
ヴリエーミァ
ヴリエーミァ
あなたは
アルド
アルド
え?
ヴリエーミァ
ヴリエーミァ
あなたは笑っていましたか。
ヴリエーミァ
ヴリエーミァ
あなたといる時…あなたは笑っていましたか
アルド
アルド
え、あ、はい。
あいつ…最初は全然笑わなかったけど

最近は割と笑ってると……
ヴリエーミァ
ヴリエーミァ
そうですか……。
それならよかった…
ヴリエーミァ
ヴリエーミァ
………………………私は
昔あの子の願いを
叶えてあげることができませんでした。
アルド
アルド
………?
ヴリエーミァ
ヴリエーミァ
あの子は不死身である自分が
嫌で嫌でしかたなかったのに……

私は何をすることも出来ませんでした。
アルド
アルド
………あいつにも…最初から
人間になって貰えばよかったんじゃないすか…?
ヴリエーミァ
ヴリエーミァ
それは……出来ませんでした。
アルド
アルド
なんで……
ヴリエーミァ
ヴリエーミァ
この儀式は対象人の
1番大切な相手が犠牲になります。
アルド
アルド
……………は?
ヴリエーミァ
ヴリエーミァ
あの時のあの子にとっては
私と私の夫が1番大切な存在でした。

なので私達が消えることを
恐れ、この儀式はやりませんでした。
アルド
アルド
え、ちょ、ちょっと待ってください
アルド
アルド
じゃあ…この儀式をして
俺が人間になったらあなたが
消えるんですか!?
ヴリエーミァ
ヴリエーミァ
………やはりあなたの1番大切な相手は
あの子なんですね。
アルド
アルド
………!!
ヴリエーミァ
ヴリエーミァ
あの子はそれをわかったうえで
この儀式をやってほしいと……願いました。
ヴリエーミァ
ヴリエーミァ
これは……あの子のわがままなのです…
アルド
アルド
じゃあ…………あいつが消えるのかよ!! 

いいのかよ!!娘だろ!!
ヴリエーミァ
ヴリエーミァ
いいわけ……ないでしょう…
アルド
アルド
っ……
ヴリエーミァ
ヴリエーミァ
娘が………消えてしまうことが……
平気なわけありません………。


でもこれは……あの子の1番の願いなのです。

あの子が大切に思っているあなたが
幸せになることが……あの子の1番の願いなのです。
アルド
アルド
…………!!!!
………あいつは…
全部わかってて………それでも………
ヴリエーミァ
ヴリエーミァ
お願いします……

どうか人間になってあげてくださいっ…
アルド
アルド
…………わ、かりま、した…
わかりたくないのに………
わかりたくなんかないのに……………





でもあいつが…………
願ったことだから………………
ヴリエーミァ
ヴリエーミァ
さぁ、こちらへ
アルド
アルド
っ…………
あいつが消える…………
俺は………人間になる……………
………………あなたっ…
ヴリエーミァ
ヴリエーミァ
ーーーーー、ーーーーーーー
ピカアアアアア
アルド
アルド
うっ…………
周りが白い…………
まるで時間が止まったみたいで………
あなた

アルド……

アルド
アルド
あなたっ!?
あなた

よかった…。
嫌だとか言われたらどうしようかと思った。

アルド
アルド
おまえっ……
あなた

ごめんね。勝手なことして。

でも……アルドには幸せになってほしかった。

アルド
アルド
お前がいなくて!!
俺はどうやって幸せになるんだよ!
あなた

……………そんなこと言われたって
もう儀式しちゃったし……

アルド
アルド
………………でもっ…
ポロッと涙が頬を伝う
あなた

アルド…

あなた

私ね、アルドのこと好きだよ

アルド
アルド
……え
あなた

好きだったよ。
だからアルドには笑ってて欲しいの。

アルド
アルド
……あなた……
あなた

もし……生まれ変わって人間になれたら
普通の………人間になれたら…

あなた

もう一度私と友達になってね(ニコッ)

アルド
アルド
ばか……やろうっ……

おまえっ……こんなの……勝ち逃げじゃねえかっ……
あなた

ゲームはアルドの勝ちだね

アルド
アルド
………俺は!!
………俺はっ………お前と一緒にいたいっ………
あなた

……!

アルド
アルド
飯を食べるのは……お前じゃなきゃ嫌だっ……
こんなの……困らせるだけって
わかってるのに……
あなた

………ずるいなぁ…

あなた

アルド…………

アルド
アルド
………?
グイッ
アルド
アルド
わっ………
ちゅっ…
あなた

アルド……大好きだよ
私に光をくれてありがとう……!

アルド
アルド
っ……!!!
あなた

じゃあね、ばいばい

アルド
アルド
あなたっ………!!!
周りの白い光がだんだんなくなっていく。

唇だけがほんのり温かく、
俺は…そのまま光に包まれた。

プリ小説オーディオドラマ