第12話

10話
48
2020/04/21 17:40
知ってたよ。
私だってもう何年も生きてる。
その中で私を大切に考えてくれる人も
たくさんいた。









アルドもその目をしていた…。
あなた

お母さん…………

ヴリエーミァ
ヴリエーミァ
………………あなた…
アルド
アルド
あなた………?ここ……どこだ……?
あなた

…!!アルド……!

見える景色全てが明るく
広大な草原が広がる。




そう………ここは………
あなた

ここは………天界。
時を管理する女神ヴリエーミァの宮殿。

ヴリエーミァ
ヴリエーミァ
……初めまして(ニコッ)
ヴリエーミァと言います。あなたの母親ですわ。
アルド
アルド
………えっと…アルド……です。
あなた

お母さん…お願いがあるの。

ヴリエーミァ
ヴリエーミァ
…………………
あなた

……アルドはあっちに行っててくれる?
お母さんと2人で話がしたい。

アルド
アルド
………おう
わかった
──────────
────────
─────
あなた

お母さn

ヴリエーミァ
ヴリエーミァ
わかってる。
あなた

え?

ヴリエーミァ
ヴリエーミァ
わかってるわ。
あなたをずっと見ていたもの。
あなた

……お母さん…

ヴリエーミァ
ヴリエーミァ
あの子を…………人間にしたいのでしょう?
あなた

………………うん。

お母さんならできるでしょう?

いつか聞いたアルドの本音。



「俺、人間になりたかった。」______
やっと叶えてあげられる。
ヴリエーミァ
ヴリエーミァ
えぇ、できるわ。


でも………やりたくないわ。
あなた

……………言うと…思った。

……………時間を変えるのは簡単なことじゃない。

必ずそれと同じ価値があるものを
差し出さなければならない。

人間、もしくは人間になりたいものの場合…………






対象人の1番大切な相手が犠牲になる。
………私もこの方法は知っていた。

昔聞いた事があったから。
でもそれをすれば
お母さんとお父さんが消えてしまう。
それが嫌でこの方法は諦めたのだ。
ヴリエーミァ
ヴリエーミァ
………あの子の1番大切な相手は
あなた……あなたなのよ?
あなた

…………

ヴリエーミァ
ヴリエーミァ
あなたは気づいてないかもしr
あなた

知ってるよ。

ヴリエーミァ
ヴリエーミァ
……!
あなた

わかってるよ

あなた

アルドが…私のこと1番大切に思ってくれてるって
わかってる

ヴリエーミァ
ヴリエーミァ
っ……
あなた

だから…だから人間にしてあげたいんだ

あなた

アルドは私の終わらない暗い人生に
光をくれた。

あなた

意味のない人生に…意味をくれた。

ポロッ
あなた

一緒にっ………ご飯を食べてくれた…

ポロポロ
あなた

隣をっ………歩いてくれたのっ……(グスッ)

あなた

私はっ…………アルドが……
アルドが好きだからっ…………

ヴリエーミァ
ヴリエーミァ
っ……………
アルドの笑った顔が好き。
アルドの声が好き。

おやつにくっきーを作った時に
子供のように喜ぶアルドが好き。

夜ご飯に嫌いな食べ物を出した時の
すっごい嫌そうな顔が好き。

アルドの寝てる時の顔が好き。


一緒に笑ってくれるとこが好き。

優しいところが好き。

誰かのために自分を犠牲にできるとこが好き。
アルドの全部が好き。
あなた

私は…………アルドにたくさんの光をもらったの…。

だから……今度は私が………

ヴリエーミァ
ヴリエーミァ
…………本気なの………?
あなた

うん

ヴリエーミァ
ヴリエーミァ
……………そう。

なら………お願いを聞くしかないわね。
あなた

……………ほんと?

ヴリエーミァ
ヴリエーミァ
あなたが初めて誰かのために泣いたのよ。
……それに娘のお願いは
叶えてあげるものでしょう……?
あなた

お母さん………ありがとう…

やっと君を……………


救えるね。

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