僕は教科書を持ちながら歩く。
森を通り抜け、橋を渡り、リドルさんと出会ったドーム状の建物から出てくる人たちと合流しながら大きな道へと出る。
メインストリートー昼
周りは数人がちらほら歩いている。
そして、7つの大きな石像が立っていた。
テラコッタの髪に左目にハートのマークをつけてる人が現れた。
その人から簡単にハートの女王について教えてもらった。
規律を重んじる厳格な人柄らしい。
それに、規律を破ったら即打ち首だったらしい。
でもその人はクールで好きと言っていた。
今更感
テンションの高いのノリで気軽に自己紹介をした。
同じ学年か。クラスも一緒かな?
次は、僕かな…。
イラッ
グリムが、質問をして、答える。
エース君は石像の人物のことをよく知っているようだ。
そっか、エースも入学式にいたんだろう。
グリムが何をやらかしたのかは知らないけど、いろんな生徒からの認知度は高いらしい。
エースは大爆笑してる。
嫌に煽ってくるな、エース君。
入学早々、嫌なやつと会った。
まあ、僕は煽り耐性はまだある方だ。
反論したのは久しぶりかもしれないが。
反論したら次は暴力で帰ってくるから基本的に反論はしない。
しかし、問題があるとするのならば、グリムのほうだ。
グリムがものすごく不満そうな顔でエース君を睨みつけている。
あ、まずい、これはグリムの炎が来る。
問題になる前に阻止しないと。僕は、グリムの方に行って抑えようとしたら、地面の石レンガの溝で躓いた。
僕の体は軽く宙に浮いた。
やばい、グリムがエース君に炎を当てようと構えてる、でも手は届かない…。
終わった。
手に色々荷物を持ってるから地面に手をつくこともできない。
地面が顔に近づいていく。
その瞬間時が止まる。
すると、声が聞こえ始めた。
その七人はさっきエース君が説明していた七人と同じ見た目で同じ名前だ。
ってことはとってもすごい人達が僕を見てるってことになるのかな…???
というか、心の声は聞こえているという解釈で良いのかな?
ごめんなさい、できないです…。
一体何が始まるのだろうか…。
それに、呪い?
危険なんだろうか……。
その瞬間、僕の頭の中に見知らぬ記憶が流れ込む。
誰かと笑い合って、誰かと喧嘩していて、誰かと戦っていて、誰かと泣いていて、誰かを泣かせてしまっている記憶。
何回も何回も同じ風景が流れる。
リドルさんが黒くなっていたり、知らない誰かも黒くなっている。
そして、大きな怪物の姿と息をしていない式典服の誰か達。
見当たらないグリム。
ズキッッッッ!!!!
痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い
痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い
頭が割れるように痛い。
でも、目を閉じれないし頭を抑えられない。
声だけでも頭に響く。
贈り物? そんなこと言ってる場合はじゃない。
こっちは頭が割れるように痛い!
そんな僕の気持ちは知らずに不思議な光が僕の回りによってきた。
そして、僕の中へと入っていった感覚がした。ほんのり胸のあたりが温かい…
のは一瞬でまた次は心臓が破裂しそうなほどに脈が早くなった。
痛い。
ただひたすらに痛い。
痛い痛い。
よりひどくなってる気がする……。
そう言った7人の気配は消えた。
それと同時に地面にぶつかった。
地面に頬があたっているが、気にならない。
頭が割れるように痛い。荷物なんて放おっぽって頭を押さえる。
胸が締め付けられているような破裂しそうなほど痛い。
暑い。体中が暑い。
脈は早い。心臓の音ですら響いて余計に痛い。
呼吸が荒い。痛みを少しでも緩和させるために叫ぶ。
周りから人がよってきている気がする。
そんなことはどうでもいい。
誰か助けてくれ。
痛い。
そこで、意識はプツンと切れた。
ーエース目線ー
こいつ、モンスターのくせに人間臭いし、あなたはなにがあってこうなったわけ?
絶対転けただけじゃあそこまで痛がらないでしょ普通!?
オレは入学早々、変な奴らとあってしまったらしい。
そう思いながら、グリムと学園長の後を着いて行く。
思ってたよりも、学園長は歩くの早くて疲れてきた。
くっそ、なんでオレこんなことに巻き込まれてんだよっっっっ!
関わらなきゃよかった……。
あなたの着崩して少し見える左の鎖骨の少し下に黒い薔薇のような印があった。
ー僕視点ー
目が覚めたら声と、見知らぬ天井が広がっていた。
僕は思い出したのだ。今までの繰り返されてきた記憶を。
そして、今は今までの記憶とは全く違う進み方をしている。
エース…………グリム…………。
生きててよかった……。
守れなくて、ごめん……。
そう思うと涙が溢れた。
話しても良いのだろうか?
信じてもらえるのだろうか?
前回は信じてもらえなかった。前々回も。
今回は信じてもらえるのだろうか?
そう思うと話したくなくなった。
少しでも今までとは違う選択をしよう。
僕は首を振って笑った。
走り出そうとベットから降りようとすると、ズキッと足に激痛がはしった。
視界が光で包まれた。
同時に足が浮いた感覚がした。
ーーーーー
追記:
グレートセブンの御方の口調などが違ったら本当にごめんなさい…。
見たことがない作品もあるので、どうにかしていきたいと思います…。
by作者
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!