それから数日後。
阿部ちゃん先生が朝のHRでインフルエンザで休んでたラウールくんの紹介を始めた。
亮平「では、先日からインフルエンザで来れなかったラウールくんを紹介したいと思います。入っといでー!」
扉が開くと、高身長の白髪イケメンが出てきた。
うちのクラスにも背高いいるけど、この子ずば抜けて身長高いな。
クラスの女子数名が騒ぎ始めた。
亮平「はーい静かに。じゃあラウールくん、自己紹介して。」
ラウール「はい!ラウールといいます。ベネズエラと日本のハーフです。インフルエンザで来れなかったので、今日から色々話しかけてくれると嬉しいです。よろしくお願いします!」
クラス全員が拍手をすると、ラウールくんは照れながら頭を掻いた。
亮平「じゃあラウールの席は、あっちの窓側の席な」
ラウール「はい。」
そう言ってラウールくんは私の隣の席に座った。
ラウール「えっと、よろしく。」
あなた「よろしくね。」
笑顔で挨拶をすると、阿部ちゃん先生は話を続けた。
休み時間になると、クラスの女子がラウールくんの席に集まってきた。
女子A「ラウールくん身長何センチ?」
ラウール「えっと、185、、」
女子B「えっ超たかーい!」
さすが肉食系女子。
てか、ラウールくん困ってんじゃん。
陽葵「凄い人気だねぇ。」
私のクラスに遊びに来た陽葵が、ポッキー咥えながら呟いた。
あなた「確かに。女子がグイグイ来てるよ。」
見かねた私は席を立って、ラウールの方に近づいた。
あなた「そんなにグイグイ来るとラウールくん困っちゃうよー。」
そう言うと女子の騒ぎ声はピタリと止まった。
女子C「そっか。ごめんラウールくん、グイグイ来ちゃって。」
ラウール「ううん!全然大丈夫だよ。」
女子たちはラウールの席を離れ、各々自分の席に戻って行った。
あなた「大丈夫だった?ラウールくん。」
ラウール「うん、ありがとう。えっと、君は…」
あっそうだ自己紹介してなかったな。
あなた「私隣の席の目黒あなた。こっちは友達の陽葵。」
陽葵「はじめましてー。」
陽葵がペコッとお辞儀をすると、ラウールくんもペコリとお辞儀をした。
ラウール「ラウールです。ってもう知ってるか笑」
あなた「これから一年間よろしくね。私のことはあなたって呼んで。」
陽葵「私は陽葵って読んでねー!」
ラウール「じゃああなたと陽葵って呼ぶね。僕のことはラウールとラウとか好きに呼んで。」
ニッコリ笑ってそう言うと、笑顔が眩しくてつい目を瞑ってしまった。
あなた「じゃあラウくんって呼ぶね。」
陽葵「私はラウールって呼ぶー」
陽葵急に距離近いなぁ。
新学期入って初めてのお友達が出来た。
放課後はラウくんと陽葵と3人で校内を案内した。
友達も出来たし、これからの学校生活が益々楽しみだなぁ。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。