バスから降りると、自然の空気が澄んでいてとても気持ちよかった。
亮平「おーい、みんな集まれー!」
阿部ちゃん先生の声が聞こえたので、私たちは阿部ちゃん先生の方へ向かった。
亮平「じゃあ今からグループごとに山登りをしていきます。誰か一人でも置いてかれることのないように、しっかりメンバーを確認しておくこと。いいなー。」
全員「はーい!」
亮平「じゃあガイドさんについてってー!具合悪くなったら声かけろよー。」
そうして私たちは山登りを始めた。
結構な獣道で体力に自信がない私はすぐにばててしまった。
息を切らして登ってると、ラウくんが声をかけてくれた。
ラウール「あなた大丈夫?」
あなた「全然大丈夫!」
とは言ったものの、正直めっちゃきつい。
歩き始めると、ラウくんがまた声をかけてきた。
ラウール「あなたキツそうだし荷物持ってて上げる。」
あなた「そんな……悪いよ。結構重たいし。」
ラウ「大丈夫!力あるから。ほら、貸して。」
笑顔でそう言ったラウくんに荷物を渡し、再び歩き始めた。
ラウくん優しいな。気遣いできるし力あるし。モテる理由が分かる。
そして後ろから鋭い視線を感じるけど、気のせいってことにしとこ……。
そしてなんだかんだで旅館に到着。
しおりに書かれていた部屋に向かった。
私の部屋は瀬田さん、私、そしてクラスでも割と話す田中さんと五十嵐さん。
仲いい子と一緒で良かったー。
4人で楽しそうに話してると夕食の時間になった。部屋に向かうと豪華なご馳走様が並んでいた。
あなた「うわぁーめっちゃ美味そう!」
田中「早く食べたーい!」
頂きますと言ってご飯を頬張ると、あまりの美味しさに笑顔が零れた。
あなた「ん!凄く美味しい!」
五十嵐「お刺身も美味しい。」
お腹いっぱいになって部屋に戻り、布団に寝転がりながら女子トークで盛り上がった。
田中「えっいがっち好きな人いんの!?」
五十嵐「うん。最近気になってて告白しようか迷ってる。」
あなた「えぇーいいね!頑張れー!」
あなた「そういやあなたは好きな人とかいるの?」
あなた「へっ!私!?」
急に話を振られ、びっくりして顔が赤くなる。
田中「私も気になる!教えてよーあなた!」
3人が私を見つめて恥ずかしいが、伝えることにした。
あなた「翔太……先輩。」
五十嵐「翔太先輩って、3年生だよね。学校でも翔太先輩狙ってる人多いらしいし。」
田中「いがっち詳しいね。」
五十嵐「私の情報網侮ったらだめよ。まぁあなたモテるし翔太先輩と上手くいくかもねぇ。」
えっ私が?モテる?まさかぁ〜
瀬田「無自覚かぁ〜。」
私以外の3人がはぁ〜っと溜息を吐いた。
えっ何?何事!?
この後も恋バナをしたりトランプをしたり3人で盛り上がった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。