第14話

お泊まり②
801
2020/03/17 11:08
あなた「あーまた負けたー!!」

翔太「しゃー!俺の勝ち♪」

今は翔太先輩と二人でマリ○ーしてるんだけど、強すぎて全然勝てない。

あなた「もう一回やりましょ!」

翔太「またー?笑もう九回目だよー笑」

あなた「次こそは勝ちます!」

こういうとこで変に負けず嫌い発動すんだよねぇ。

翔太先輩ともう一戦しようとした途端、急に部屋が真っ暗になった。

あなた「えっ何?停電?」

翔太「ブレーカー落ちたのかな。見に行くか。」

先輩がそう言うと携帯のライトを付け始めた。

翔太「俺ブレーカーの場所知らないから、あなたちゃん一緒に来てくれない?」

私は怖くて少し固まっていた。

翔太「大丈夫?立てる?」

そう言って翔太先輩は手を差し伸べてくれた。

あなた「はっ、はい…。」

私は翔太先輩の手をとり、一緒にブレーカーのある所へ向かった。

でもスイッチを上げても、電気は付かない。

翔太「もしかして、ここら辺全部停電してんのかな?」

リビングに戻ってカーテンを開けると、やはり他の家の電気も消えてる状態だった。

翔太「やっぱりか、治るまで大人しく待っとくしかないね。でも暗いとあなたちゃん不安だからランタンとかあるといいんだけど……あなたちゃんランタンの場所とか知ってる?」

あなた「それなら確か、キッチンんの棚に入ってた気がします。」

キッチンの棚を開けると、LEDタイプのランタンが置いてあった。

それをリビングの机に置き、電気を付ける。

翔太「これで少しは落ち着くか。あれ?あなたちゃん大丈夫?」

少し明るくなっても、やはり暗いのが苦手な私は固まる事しか出来なかった。

怖くて震えてると、翔太先輩が近づいてきた。

翔太先輩「怖い?」

あなた「………少しだけ」

こんなとこ見られるなんて、ほんと情けない。

すると翔太先輩は、ぎゅっと抱きしめて頭を撫でてくれた。

えっ、ちょっと待って!

あなた「しょ、翔太先輩!?」

翔太「ごめん、こうした方がちょっとは落ち着くかなと思って…」

落ち着くどころか、ドキドキして余計に落ち着かないよ。

宝物を抱くように優しく抱きしめて、頭を撫でながら、背中を優しくトントンと叩いてくれる。

しかも距離が近いから、翔太先輩の息遣いや声が耳元から聞こえてドキドキする。

私の心臓の音聞こえてないか心配になる。

あれ?でも私の心臓の音じゃないのも聞こえてくる。もしかしてこれ、翔太先輩の心臓の音?

翔太「俺の心臓の音、バレた?」

あなた「あっいや、私のかなー?と思って……」

って何言ってんだ、私はー!

翔太「ふはっ、これじゃどっちの心臓の音か分かんないね笑」

こんなに翔太先輩の心臓の音が伝わって来ると、もしかして翔太先輩も私と同じ気持ちなんじゃないかって勘違いしちゃうよ。

でも今だけは、翔太先輩も同じ気持ちかもって自惚れてもいいですか?

プリ小説オーディオドラマ