病院だと知らされた時
全然頭が追いつかなかった
学校が終わって
走って病院まで行った
…
看護師さんに
何号室か聞いて
意をけして
この、部屋に入った
こ「…っ!!」
そこには
見たくなかった光景が広がっていた
たくさんの管に繋がれたあなた
そして、目を開ける気力もないのか
目を閉じているあなた
僕は
あなたの手をそっと包んで
心の中で
こ「目を覚ましますように」
そう願った
僕は
最初、
あなたのことは
ただただ静かな人だとしか思ってなかった
でも
声をかけると
笑顔で
僕のことを
友達として受け入れてくれて
ほんとは
嬉しかった
次第に
恋に落ちていって
だんだん塩になっちゃって
困らせちゃったかな?
なんて毎日思ってた
でも、、俺はお前が好きなんだよ
気づけば
もう暗くなっていて
親が心配するからって思って
帰ろうとした
その時だった
『……… た…すけ…て』
確かに
あなたの声だった
こ「あなた…?」
『だれ…か…』
うなされていて
苦しそうだった
ナースコールを押した
先生が来て
今は検査中
まだ、意識はとぎれとぎれで
いつ、倒れるかわからない
検査結果がどんなに良くても
2週間は
入院だと、、
そして検査から帰ってきたあなた
すごく不思議そうな顔をしていた
こ「目を覚ましてくれて、、よかった、」
でも
不思議そうな顔は変わらない
首を傾けて
今にも
“誰ですか”
って言われそうな勢いで
口を開いた
『えっと、、あの、、誰、ですか?』
ほら、、、言うと思ったよ
先生にも言われた
“記憶がないかもしれません”
“無理に思い出させないでください。”
って
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誰かに包まれてる
とても暖かい
私は
今
手を包んでくれてるあなたの名前を叫ぶ
でも
名前が一向に思いつかなくて
思い出したいのに
嫌なことばっかり頭に浮かんでくる
いじめられ
暴力を振るわれ
嘘をつかれ
自殺まで追い込まれて
みんな、、顔が真っ黒で
誰が誰だかわからない
そしてまた
暴力を振るわれて
無視し続けられて
ひどい暴言をあびせられて
…
スーーーーーッ
目を開けると
どこかの天井が映し出されていて
検査室?に連れていかれてるみたい
検査みたいなのが終わって
部屋に戻った来たんだけど
目の前に立ってる人が誰だかわならなくって
『出てってください』
って咄嗟に言ってしまった
目の前にいた人は
涙ぐみながら
私の横を通り過ぎて行った
?「忘れて欲しくなかった」
って言い残して
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。