ネットの世界は恐ろしいものだ。
流行りと廃りが目まぐるしく変わる。
私もそうだ、きっと。
ここじゃ好きな私になれる。
強くて勇敢な軍人の私。
残虐非道な悪役の私。
優しく慈悲の心を持った私。
なんでも出来る、なんにでもなれる。
だから、今の世界でも私は多面性のある人間になったのかもしれない。
…ちょっと自分が怖くなった。
そんな気持ちを心の戸棚にしまいながら自分のトークに顔を出す。
色々な人が顔を出してくれる。
嬉しい、ちょっと気分が盛り上がる。
このアプリには自分の顔見知りもいるのでよく話したり学校での話題を取り上げる。
こんな言葉を使っても、親しい人だから怒る人はいない。笑って流してくれる。
平日が嫌になった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。