私は幼い頃から、シロツメクサという白い花が大好きだった。
白くふんわりした花、青々としたクローバー。
その中から四葉のものを見つけたり、冠を作るのは私の趣味だった。
ただ一つ気がかりなことは、私の脳裏には真っ赤なシロツメクサが色濃く焼き付いてる。
どういう経緯で見たのか、どこで見たのかも覚えていない。ただ綺麗な赤なのは覚えていた。
高校生になった私は家の花壇でシロツメクサを育てていた。
栄養剤もどんどん与えて気がつけば花壇を超えて庭いっぱいに大きめの花がポンポン咲くようになった。
するとお父さんがベランダから顔を出した、私の母は幼い頃に病気で亡くなったらしい。
私は急いで学校に行く仕度をした。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。