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第7話

夢の中で。芹side
「…………」


誰…………。


「んぅぅ……」


そこにいるのは……。


凌馬りょうま!」


あれ………………?


「………光瑠ひかる?、、っ──」


彼女の名前を口にした途端、
仄暗ほのぐらかった周囲が一瞬にして明るくなった。


どこまでも続いて見える青空の下には、
空の青を反射したような水面みなも


俺はその水面みなもの上に立っていた。


その他にはただただ空間が広がっているだけ。


目の前には、
とても見覚えのある可愛らしい女の子。


「そうだよ、私だよ、寝ぼけてるの?凌馬りょうま?」


その子はこてんと首を傾げて、
俺のことを“凌馬りょうま”って呼ぶ。


光瑠ひかる………もう、いいの?」


そう言った瞬間、胸がズキンと痛くなった。


「いいって…何が?」


わからないといったふうに、
彼女は不思議そうな顔をした。


「それ……は…………」


俺は言い淀む。


「『それは』?」


今度は、頭が痛む。


「…あ…………」


すると彼女は、クイズの答えがわかったみたいな、
明るい表情になる。


「それ…………」


呟いて、にぃと口角をあげてゆく。


「ひ、光瑠ひかる……?」


ドクドク、ドクドク、心臓が脈打つ。


「フフッ………」


不気味に笑った彼女が、とうとう口を開く。


「──────────」


真っ青で美しかった青空がまた、暗闇に包まれた。





















































「────はっ」


目を見開けば、暗い部屋。


「………」


本がぎっしりと詰まった本棚。


「………」


制服を掛けてあるラック。


「………」


文具が乱雑に散らばる勉強机。


「………」


コーヒーカップが置かれた丸テーブル。


「………」


開きかけのクローゼット。


「………」


微かな光が漏れる遮光カーテン。


「………」


何度か、まばたきをする。


「ハァハァ…………ハァ………ハァハァ……………ハァハァ……………」


心臓が、ドクドクドクドク嫌に脈打って耳に響く。


「………くぁ、ハァ……ハァハァ……………」


ぎゅっと手を、拳を握る。


「ハァ………………………」


落ち着いてきた。


天井を睨む。


ここは、俺の部屋。


畑凌馬はたりょうまじゃない。


舞乃國芹まいのくにせりの部屋。


「……………ハァ………なんて夢だ………」


光瑠ひかるも、凌馬りょうまも、二人とも、死んだ。


紛れもない事実だ。


ちゃんと、俺は記憶してる。


死んだこと。


そんな強烈な出来事を
一年前まで忘れていたなんて信じられない。


けれど、思い出した今はそれが頭から離れない。


鮮明に隅々まで思い起こせる。


「ハァ…………………………」


ひとつ息をついて、体を起こす。


「ん……………」


なんか、服の下、気持ち悪い。


ポリポリ、額をかいて気付いた。


寝汗だ。


あんな、変な夢を見たものだから。


シャワーを浴びていると、
鏡の中に苦い顔の俺が写りこんでいた。