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第6話

この瞳に映る。芹side.
優香ゆうかへの服を選んでほしい。


そう頼んだら、
玲紗はとても楽しそうにあちこちを歩き回った。


手には、いっぱいの服を抱えて。


んと、四月のテスト後からだから、
だいたい一ヶ月半か。


玲紗はこの一ヶ月半、
側で見ていて一番いい顔をしていた。


センスもいいみたいで、通りがかった店員さんが玲紗を見て“素敵”って言ってたよ。


自分のことのように、嬉しかった。


だって、好きな子を褒められて、
嬉しくないやつなんていないでしょ?


あ‥‥‥と、うん。話戻そ。


俺はね、玲紗。


玲紗が嬉しいなら。


楽しいなら。


笑顔でいられるなら。


俺はそれだけでいいって思ってしまう。


それだけで満足してしまいそうになる。


ただ、そうもいかないのが難しいところだよね。


俺が満足したって何の解決にもならないんだもの。


俺は思い出したから。


今までのこと、全部を。


まぁ、敦が先に思い出したのは癪だったけど、
言われなきゃ思い出せなかったかもしれないし。


でも、今回今世でも敦と出会えたのはラッキーだった。


今回今世あいつと出会ったのは、たしか中一の頃。


最初は馬が合うくらいにしか思ってなかったけど、段々、昔にどこかで知り合ってたのか、ぐらいに思えてきて。


敦に叱られた後、今まで前世のことを話して聞かされて。


ようやく合点が行ったと思えば、今度は玲紗を探さなくちゃならなかった。


その矢先、玲紗は病院に訪れた。


奇跡だと、神がいるのだと、
この時ばかりはそう思った。


俺が今まで満たされなかったのは。


焦燥に駆られていたのは。


じっとしていられなくなったのは。


柏織玲紗かしわおりたまさ


君を見つけ出すためだったんだ。


玲紗たまさをこの目で見た瞬間、
何よりも先にそれを理解した。


俺は、たった一つのそのためにまた、
この世に生まれ落ちたんだと。


たとえ、あつしから前世のことを、
聞かされていなかったとしても。


玲紗たまさを見た瞬間、
脳裏には前世の君が写ったから。


だから、俺にはまだ、
君を救う資格があるはずなんだ。


君はまだいくつも、
俺にたくさんのことを隠してるだろ?


穏やかに笑っては、
自分の苦しみや辛さを微塵も感じさせないで、
人のことばっかり考えて。


ねぇ玲紗たまさ


俺、知ってるんだよ??


玲紗たまさが考え事するときの癖。


目を伏せて、唇から顎にかけて、手をやるんだ。


さっきは、何を考えてたの?


お願いだから、自分をもっと、大切にしてよ。


じゃなきゃ、俺が悲しくなるから。


君はいつだって、自分のことよりもまず、
俺のことを考えてくれていた。


自分のことなんかほったらかしにして、
他の誰かを気遣って気にかけて心配する。


そんな優しくて哀しい癖が、
いまだに抜けていないんだから。


君はもう、俺から解放されていいんだから。


もっと自分のために時間を使ってよ。