トントンside
...アイツを見ていると、昔の俺を想いだす。
俺がグルさんに抱いてる心にそっくりだ。
だから、見ているだけで心が痛い。
その人にしかない個性。それが何なのかは俺にもわからない。ただ、一緒に居たい。
俺にもわからないからこそ、あんな事を
口走ってしまった...
根拠の無い事を言っているじゃないですかと
言われた時、何も言い返せなかった。
本当に、その通りだ。
俺はただ自分も出来ていない事を
指摘していただけだった。
...ふと思った。
俺に出来ることはないのか。と。
俺の取り柄...俺の取り柄...?
あれ?
俺の取り柄...って?
ショッピside
俺は国中を探し回った。
コネシマさんの前住んでた家も、公園も、サッカーグラウンドも、山や、海も。
これ以上ない程に探し回ったがやはり居ない。
そうすると、もう国外へ行ったとしか
考えられない。
いや、逆にあの人が国内にいるとは思えない。
あの人はいざ決めたら何処にでも行くからな。
...迷子になってそうやけど。
俺は国外に出る門をくぐった。
軍人は許可なく自由に出入り出来るからな。
しばらく歩いた時だった。
俺は何かの気配を感じ取った。
人間ではない何か。黒い何か。
バケモノだった。
今回はでかい狼の姿をしている。
バケモノの形状は変わるのか。
...いや、そんな事言っている場合じゃない。
そう言って素早い動きで足を1本折り、
ひっくり返してお腹を見てみる。
が。そこに心臓部はない。
どうしたものか。他に心臓部を隠せる場所。
バケモノはゆっくりと立ち上がる。
その時だった。しっぽの方から
微かに赤い光が見えた。
なるほど。そこか。
俺はしっぽをひっくり返そうとする。
素早い動きで狼は俺の方を向いた。
こんなに必死なのだからやはり心臓部は
ここなのだろうな。
向いたと同時に俺は瞬時に足へと近づき
骨を折る。バケモノはだいぶ悶えているようだ。だがしっぽへと近づいても同じように
上手く躱されてしまう。
さて。どうしたものか。
と思っていると何かがバケモノの
しっぽに刺さった。
と悲鳴のような鳴き声をあげ、
光の粒子となった。
その場には俺と、...矢があった。
この矢は...どこかで...?
この声は...
付けられている事に全く気づかなかった...
なんかちょっと悔しい...
と、ロボロさんと俺が話していると。
この声も聞き覚えがある。
この声は...
はぁ...まあいいや。
お二人がいると心強いし。
俺はふと、賑やかな国より何も無い場所の方がいる確率は高いかもしれない、と。
俺はそれを2人に話してみた。
なんて呑気な事を言っている。
ふと、コネシマさんと交わした
こんな会話が蘇ってきた。
何故コネシマさんが自分の事を弱い奴なんて
事を言っていたのか分からないが、
自分の取り柄なんて考えたこともなかった。
何故か今もこの会話が脳裏に焼き付いている。
俺はコネシマさんを護りたい。
そうだ。
この気持ちがあるから俺の支えになるんだ。
だからコネシマさんは心の支えなんだ。
やっと、わかった。
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ツッコミ入れさせて。
語彙力無さすぎん?
多分次連続投稿する。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!