第6話

Starry skyと互いの体温2
96
2019/02/09 01:19
美桜
んっ…!!///
一ノ瀬トキヤ
一ノ瀬トキヤ
ん…っはぁ…///
唇を離すトキヤは星空を見上げた。
一ノ瀬トキヤ
一ノ瀬トキヤ
美桜。“オルフェウス”の話は知っていますか?
美桜
いえ…知りません。教えていただけますか?
夏の第三角形を指さしながら話し出すトキヤ。
一ノ瀬トキヤ
一ノ瀬トキヤ
七夕になると、織姫と彦星を見つけてお願いするでしょう?
織姫は白鳥座のデネブ。彦星は鷲座のアルタイル。その上に輝くのが琴座のベガ。
フム(( ˘ω ˘ *))フムと聞く美桜。
一ノ瀬トキヤ
一ノ瀬トキヤ
オルフェウスはギリシア神話に登場する人物です。
神話上では、音楽や詩を司る神・アポロが父の子として生まれたとされています。
美桜
そうなんですか?
一ノ瀬トキヤ
一ノ瀬トキヤ
ええ。
話を続けますよ?
美桜
はい(*^^*)
一ノ瀬トキヤ
一ノ瀬トキヤ
オルフェウスは、父・アポロから竪琴を教えてもらい、奏でられた音は、花や動物に至るまで魅了されたと言われています。
しかし、オルフェウスには心から愛する妻がいたのですが、毒蛇に噛まれて死んでしまいます。
美桜
そんな……( •́  •̀ )
美桜の頭を撫でながら話を続けるトキヤ。
一ノ瀬トキヤ
一ノ瀬トキヤ
妻のエウリュディケーを忘れられないオルフェウスは、自らの足で冥界へと向かい、冥界の渡し守のカーロンや地獄の番犬と呼ばれるケルベロスをも、オルフェウスの奏でる竪琴の音色に魅了されたのです。
遂に冥界の主・ハデスとその妻のペルセポネにも、竪琴の音色を聴かせ、ペルセポネの説得でハデスは、オルフェウスに条件を付けたのです。
美桜
条件ですか?
一ノ瀬トキヤ
一ノ瀬トキヤ
ハデスはオルフェウスにこう言ったのです。
「冥界から無事に抜け出すまでは、決して後ろを振り向いてはならない。」と。
美桜
エウリュディケーさんと無事に抜け出せたんですか?
しかし、トキヤは首を横に振る。
一ノ瀬トキヤ
一ノ瀬トキヤ
いえ…
目の前に光が見えた喜びと不安に駆られ、オルフェウスはハデスの条件を破ってしまうのです。
美桜
それじゃあ……
一ノ瀬トキヤ
一ノ瀬トキヤ
エウリュディケーは冥界へ戻されてしまい、2度と会う事は出来なくなりました。
美桜
それからのオルフェウスはどうなったんですか?
一ノ瀬トキヤ
一ノ瀬トキヤ
エウリュディケーを忘れられないオルフェウスは、女性に恋をする事はありませんでした。
彼は…豊穣の神・ディオニュソスを怒らせてしまい、彼もまた帰らぬ者となってしまいました。
美桜
どうして…( •́  •̀ )
一ノ瀬トキヤ
一ノ瀬トキヤ
オルフェウスは、トラーキアと呼ばれる地へと訪れた時に、新しい神を敬わず、アポロが最も偉大な神だと言ったのです。
それが、ディオニュソスがオルフェウスに対して怒った理由です。
その後、アポロの懇願によって、アポロの父・ゼウスは竪琴の名手であった事もあって、夏の夜空に輝く琴座にしたのです。
美桜
悲しいお話ですが、素敵なお話でもありますね(*^^*)
一ノ瀬トキヤ
一ノ瀬トキヤ
こんな話で良ければまた話をしますよ^^*
美桜を抱きしめながら、素敵な時間を2人で共有したのだった。

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