その後家に着いた、あなた、樹以外のメンバーは無言で中に入った。
そう言ったあなたの後ろにはぴったりと樹が張り付くように着いてきていた。
あなたの後ろにいる樹の服装をよく見ると、樹もパジャマ姿だった。
夢羽の味方についているメンバーは、樹を睨んだようにして見ていた。その視線に気づいたのか、あなたは…
「俺ら」とあなたが言った時、樹の表情が少し緩んだ。そして、あなたと樹は部屋に戻って行った。
夜ご飯の時間になり、壱馬と慎は「あなた」を呼びに部屋に行った。
部屋の中を見ると、樹があなたにバックハグをした状態でスマホをいじっていた。あなたはされた状態でゲームをしている。
「俺ら」じゃなくて?と聞かれて、壱馬と慎はご飯食べよしか言えなくなった。
あなたと樹は立ち上がり、手を繋いで皆がいるリビングまで行った。
樹のことは無視して皆わいわい話している。
夢羽は隣の椅子を叩いていた。
樹が震えているのに気が付いてあなたがいっそう強く樹の手を握った。
「そいつ」とは、「藤原樹」のことだった。
あなたが少しイライラした口調で言った。
壱馬が横に詰めたのだろう。壱馬の隣には2席空いている。しかし、壱馬の反対側の隣には健太がいる。健太は、今は最も夢羽の味方である。
壱馬はあなたが横に座ると思ったのだろう。
夢羽の隣に座らなかったあなた。
あなたが隣に座ると思って喜んでいた壱馬。
夢羽が樹を睨み、また壱馬も樹に怒りを覚えたことは誰も知らなかった。ただ1人を除いては…
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。