第44話

39話
3,165
2022/04/04 13:54
廃車が崩れ落ちる、少し前ーーー。
マイキー
一虎、場地…戻ってこい
一虎
敵を前にして何言ってんだよ
マイキー!
場地
裏切り者には容赦しねぇ
それが東卍だろ?マイキー
マイキー
っ……
場地と一虎、マイキーの3人は廃車の上にいた。

いくら説得しても敵意を消さない2人に

マイキーは悲しそうに眉を下げる。

そんなマイキーを

稀咲は側近を連れて見ていた。
稀咲
(本当ならアソコで場地と一虎を刺し殺すつもりだったが…)
稀咲
(警戒されちまってるからな)
稀咲はチラリと自分を見ているあなたを見る。

そしてあなたが稀咲から目を離した瞬間…。
稀咲
行け
mob
はい!
稀咲がそう言うと同時に

東卍の服を着た男が一虎に殴りかかる。
mob
総長から離れろぉぉ‼︎
一虎
は⁉︎
一虎は一瞬驚くもすぐに相手を蹴り飛ばす。

しかし、その反動のせいで

一虎が足場にしていた車が崩れる。
あなた
一虎ぁぁっ‼︎‼︎
一虎
…え?
場地
っ…!!!!
場地は瞬時に一虎の腕を掴むと

マイキーの元へ投げる。
マイキー
なっ…!場地‼︎‼︎
マイキーは目を見開いて叫ぶ。

場地が落ちている時

自分に必死に駆け寄り手を伸ばす武道と千冬が

視界に入る。

そしてそれが

場地にはとてもゆっくり見えていた。
場地
(悪ぃな、マイキーを、東卍を…)
場地
頼む…!
そして車は場地を巻き込み、崩れ落ちた。
千冬
場地さぁぁぁぁぁぁん‼︎‼︎‼︎
車の下から流れ出てくる血を見て

千冬は顔面蒼白になり車に近寄る。

その様子を武道は…

いや、その場にいる全員が呆然として見ていた。
タケミっち
(何で、何で場地くんが…⁉︎いや、でもあの時場地くんは……)
武道は困惑する頭で

しかし冷静に先ほどの出来事を振り返る。
タケミっち
(あの時、場地くんは…‼︎)
千冬
場地さん…?
場地
ち、千冬ぅ…
誰もが場地は潰されたのだと思った。

しかし、場地は生きていた。

では、
真一郎
タケミチ……
タケミっち
し、真一郎くん…
真一郎はフラフラとした足取りで武道に近寄る。

そんな真一郎を見て

武道は涙目であの血溜まりに目を向けた。
真一郎
俺、止めようとしたのに…間に合わなかった…アイツが……
真一郎
あなたのニックネームが…
ドラケン
は…?姉貴……?
真一郎
あなたが、場地を……
タケミっち
〜〜ッ‼︎‼︎
真一郎の言葉を聞いた瞬間

武道は走り出す。

いや、武道だけではない。

灰谷兄弟も、ドラケンも、マイキーも…

あなたに関わりのある者は車に駆け寄る。

そして真一郎も震える足で車に近づく。
ドラケン
あなたのニックネーム姉っ‼︎生きてるよな⁉︎
生きてなかったらブッ殺すかんな‼︎‼︎
マイキー
あなたのニックネーム姉…っ‼︎
竜胆、この車どけんぞ!
竜胆
分かってる…‼︎
おい!
東卍の奴らもコレ動かすの手伝え‼︎
三途
テメェらに言われなくてもやるっつの‼︎
さっさとそっち持ちやがれ‼︎
マイキー
真一郎!
真一郎
っ…!
マイキー
俺らがこの車持ち上げるからあなたのニックネーム姉引っ張り出せ‼︎
真一郎
お、おう……
ドラケン
真一郎くんっ‼︎
真一郎は顔を青くしながらも頷いた。

そしてそれを見たドラケンは

車を持ち上げ様と力を入れながら怒鳴る。
真一郎
!!
ドラケン
あなたのニックネーム姉のこと好きなら…ココからも自信満々に救って見せろよ…っ‼︎あなたのニックネーム姉は、まだっ、死んじゃいねぇっ…‼︎こんな所でくたばる様な女じゃねぇのを…真一郎くんがっ……
ドラケン
誰よりも知ってるだろぉがぁぁっ‼︎‼︎
真一郎
っ!!!!
そしてその言葉と同時に車が持ち上がる。

真一郎は意を決し車の中に身を潜らせた。
真一郎
(あなたのニックネーム…あなたのニックネーム……‼︎)
真一郎
どこだっ…‼︎あなたっ!
あなた
しん…い、ち郎……?
真一郎
っ!あなたのニックネーム‼︎
真一郎は丁度車の隙間にいたあなたを見て安堵する。
真一郎
もう大丈夫だ、今すぐ出してやるからな
あなた
うん……
真一郎は頭から血を流しているあなたを

ゆっくりと車の中から出す。

そして、2人が車から這い出ると

車はドンッと音がしてさらに崩れてしまった。
マイキー
はぁ〜疲れたぁ…
真一郎
お前ホント…無茶しすぎだって……
真一郎はあなたの頭を庇いながら

宝物を触る様に優しくそして強く抱きしめた。
あなた
えへへ…ごめんね……
あなた
蘭ちゃんも、竜ちゃんも…ありがとぉ…
今度蘭ちゃんとデートしてくれるなら許してあ〜げるっ♡
竜胆
……右に同じく
あなた
ちょーし良いなぁ、もぅ…
あなた
皆も、ありがとう……
あなたのその言葉に全員微笑んでいた。

そして、何処からかパトカーの音が聞こえてくる。
ドラケン
サツか……
半間
芭流覇羅ァ!引き上げんぞぉ‼︎
mob
ウッス‼︎‼︎
ドラケン
東卍もここで解散だ‼︎‼︎
mob
ハイッ‼︎‼︎
帰るぞ、竜胆
竜胆
あぁ
あなたちゃんまたネ〜♡
マイキー
真一郎、あなたのニックネーム姉の事頼む
真一郎
あぁ
そして、その場には真一郎とあなた以外

誰もいなくなってしまった。
あなた
やぁ〜血ぃ流しすぎたねぇ……
真一郎
お前は頭から血を出すのが好きなのか?
あなた
そーなのかも…
真一郎
ジョーダンでもそんなん嫌だからな…
あなた
ごめんって
あなたはジト目で睨んでくる真一郎に苦笑する。
真一郎
…もう警察も救急車も来たから、休め
あなた
うん…
真一郎は日差しが入らない様

あなたの目元を自身の手で隠す。

すると直ぐにあなたから寝息が聞こえてくる。
真一郎
ホント…
無茶ばっかりだな、お前は…
真一郎はあなたの目元を隠したまま苦笑する。
真一郎
んでもって、無防備すぎだっての
そして真一郎は…















あなたの唇に優しくキスを落としたのだった。

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