第11話

隠蔽。
151
2019/04/08 13:18
翔太
翔太
お邪魔します。
礼儀正しい彼、こういう所は好きだ。
私達は椅子に対面で座る。
まふゆ
まふゆ
何?話とは。
翔太
翔太
俺ら、自ら死にに行くつもりじゃん?
まふゆ
まふゆ
まぁ、まだ準備はできていないけど。
翔太
翔太
せめてでも悔いの残らないように
…死にたくない?
いきなりそう言う翔太くん…頭でも打ったのだろうか。
いつもと違う、おかしい。
まふゆ
まふゆ
ま、まぁ。
翔太
翔太
夢を作らない?俺らの夢。
死ぬのに夢なんかいる?
翔太
翔太
俺はね…死ぬまでに1回でもいいからバンジージャンプしたかった、1番高いヤツね?あれ怖そうだよねぇ〜でも、やりたいんだ。
バンジージャンプねぇ…なんでだろう。
まふゆ
まふゆ
そう…なんだ。
翔太
翔太
まふゆは?
まふゆ
まふゆ
ん、う〜ん。
いつもこう彼にはペースを持ってかれがちである。
翔太
翔太
あ!俺もう1個!歴史的な古い街にまふゆと旅行行きたい。
まふゆ
まふゆ
じ、じゃあ私は!歌手デビューして…
まふゆ
まふゆ
LIVEツアーしたい!!
翔太
翔太
LIVEツアー?
まさか歌手デビューしたところで、すごく人気が出るわけでもないと思うし、そう簡単でもないことだということも知っている。
しかも私はツアーをしたいと言った。
相当な人気と知名度、力がないとできないこと。
つまり今の私からは程遠い夢。
その無理な夢が叶わないと死ねない。
死ぬのが遠く先になるということだ。
翔太
翔太
いいじゃん!
まふゆなら、すぐ出来るよ!
翔太
翔太
そしたら、ツアーが無事出来たら。
翔太
翔太
死のうね。
時々彼は簡単に残酷なことを言う。
そんな彼も好きでたまらない。

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