礼儀正しい彼、こういう所は好きだ。
私達は椅子に対面で座る。
いきなりそう言う翔太くん…頭でも打ったのだろうか。
いつもと違う、おかしい。
死ぬのに夢なんかいる?
バンジージャンプねぇ…なんでだろう。
いつもこう彼にはペースを持ってかれがちである。
まさか歌手デビューしたところで、すごく人気が出るわけでもないと思うし、そう簡単でもないことだということも知っている。
しかも私はツアーをしたいと言った。
相当な人気と知名度、力がないとできないこと。
つまり今の私からは程遠い夢。
その無理な夢が叶わないと死ねない。
死ぬのが遠く先になるということだ。
時々彼は簡単に残酷なことを言う。
そんな彼も好きでたまらない。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。