02:14_
今日は珍しくアイツらは来なくて、安心しながら作詞を続けていた。
ココア片手に操作するこの時間が、私の安らぎの時間だった。
作詞も一段落し、息抜きにコメントの欄を漁る。
『まふまちゃん歌ってみたとかやってくれないかなぁσ( ̄^ ̄)?』
『この曲がお店で流れて好きになりました。mfmさんを好きになったきっかけです!!』
『まふまくんっていう神』
『まふまちゃんの作詞作曲した歌で嫌いなものありません。。世界観好きすぎ…』
『最高すぎる』
このMVは、2000万回再生された私の看板曲と言っていいMV。
こういうコメントを読むのも私は好き。
珍しく静かな夜に疑いもしないまま、私は重たい瞼を頑張って開け、ゆらゆらとベッドに行き、ダイブした。
肌とこの肌触りのよう毛布が触れるのが気持ち。
大きいベッドに1人寂しく、うずくまって眠りについた。
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次の日_
ホームでゆっくりしていた私は、軽く淡い約束を学校で交わしたことを思い出し、丁度よく止まった電車に急いで乗り込んだ。
丁度、学生下校時間ということもあり、車内は学生で溢れていた。
すると、
『ねぇ。まふまちゃんの新曲聞いた?』
と可愛らしい声が小さく聞こえた。
近くの高校の女の子っぽい。
私は急に恥ずかしくなり、顔を下に下げる。
こんな私のこと知ってること自体に恥ずかしくて、本当の自分のことを知ったらどう思うのか不安だったから。
『聞いた!聞いた!いいよねぇ、本当好き。』
『 全部非公開だからめちゃくちゃ気になるけど、大学生らしいっていう記事みた!!』
『嘘〜、さすがに大人じゃない?26、7くらい〜?大学生であの語彙力は天才や。』
『女かなぁ〜?男?』
『男じゃないの〜??』
『気になる…自分の曲歌えばいいのに。』
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。