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第4話

君は何も悪くないってさ。
社会的圧力や精神的苦痛、身体的苦痛を伴う軽い虐めのようなモノ。
深夜にドアを激しく蹴り飛ばす音が。
最悪の時は怒鳴り声で睡眠を邪魔される。
この前は鍵をこじ開けられ、部屋着姿のまま引きずり出された。
四方八方から飛んでくる罵声に私は、中心で耳を塞いで、声を殺して泣いた。
あの夜は今でも鮮明に覚えている。
この数週間の中でも酷い夜だった。
相手が私のファンの方なのか、関係者なのかは分からない。
調べようとも思わない。
でもこんなことは、私の今までの人生の1部にすぎず、度重なる悪意、罵声、暴力、苦痛にボロボロにされていた。
そんな中、絶望の縁に立っていた私に手を差し伸べてくれたのが翔太くんだった。
翔太
翔太
まふゆは…何も悪くないのに。
君のその優しい言葉も私を傷つける。
彼も何かに苦しんでいる。
それこそ、直接は聞いてことないが、何度もリスカされて傷ついた手と傷だらけの顔がそれを物語っていた。
彼の白くて綺麗な肌を傷つける何か。
彼を助けたいのに、彼はいつもそれを拒む。
まふゆ
まふゆ
作詞家…やめようかな。
そっと呟いた独り言なのに、
翔太
翔太
ダメだよ。まふゆにはファンが、応援して楽しみにしてくれてるファンがいるじゃんか?
弱々しい声で強がりな言葉。
まふゆ
まふゆ
でも…
翔太
翔太
俺だったら応援してる人が急に辞めるって言ったら泣くよね。
まふゆ
まふゆ
うぅ…ん。そっか…。
優しい沈黙が流れる。
翔太くんの大きな手が私の頭の上に伸びる。
翔太くんは優しすぎるくらいに私を撫でてくれた。
翔太
翔太
今日もアイツら来る?
まふゆ
まふゆ
多分…
翔太
翔太
そっか…。俺は何をすれば…
私の頭の上に乗った手をゆっくり離してそう言う翔太くんの顔は、必死だった。
まふゆ
まふゆ
いいんだよ、翔太くん。
私が悪いんだから。