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第3話

理解者。
"ドンドンドンドンドン"
聞こえない。
知らない。
寝るから。
"ドンドンドンドンドン"
私は、布団からゆっくり重たい身体を起こし、壁にかかる時計が指してる時刻を見る。
01:27_
こんな深夜にドアを蹴り飛ばさせる私って。
もう。
辛い。
無理。
泣きたい。
今日もまた耳を塞いで、布団に潜る。
@@@
翔太
翔太
まふゆ…昨日も来たんでしょ?
私の家のソファに腰を下ろしながら、溜息混じりにそういう彼は、私の高校の同級生である雨宮翔太(あまみや しょうた)くん。
唯一の私の理解者である。
彼も同様、「私が唯一の理解者」と口にしていたことがあった。
彼と私は、共に多く重なる共通点で、お互いを信じあい、唯一の友人としていた。
彼は私の隅から隅まで知っているし、それは私も同様。
まふゆ
まふゆ
そう…だよ…
翔太
翔太
警察に出さな_
まふゆ
まふゆ
嫌っ!作詞作曲家だってことがバレるかもしれないんだよ?!私だって警察に届けたい!!でも…無理だよ…。
そう言うと、翔太くんは再びゆっくりと溜息を付いた。
翔太
翔太
そうだよね…
なんて言いながら目を逸らす彼。
事の始まりは、数週間前_
現実世界に居場所がない私は、インターネットに居場所があった。
そう作詞作曲家としての別の顔を持った私だ。
顔も年齢も、声も性別も出身も誕生日も。
何もかもが非公開の、アーティスト『mfmマフマ
本当はこんなボロボロの私でも、画面の私を好きでいてくれる人に知られたくなかったから、全てが非公開の生き物として、毎日のようにインターネットの中で生きていた。
息を吸っているのと同じだ。
でも、そんな私の居場所に闇が押し寄せて来たのだ。
コメントの欄に書かれた
『コイツの住所特定したんだけどww』
その下には、本当に本当の私のマンションの住所が記載されていた。
どこから情報が流出したのか、まったく分からない。
だから怖い。個人情報を一切出てない私が、どうして住所を特定されたのかが分からないからが怖い。
そのコメントが書かれてからというもの、毎日のように同じ時間に来る。
同じやつら。