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第15話

86
2019/08/29 13:37
「ねぇママ!」

「何〜?」

誰かさんにそっくりな瞳が、
僕と美希を交互に見つめる。



「なんでママはこんなに綺麗なのに、
顔ふつーなパパと結婚したの???」

隣で遠藤美希エンドウミキは肩を揺らし、涙目で爆笑していた。



対照的に傷つく僕。

「顔ふつーって…酷くない?」


高校生の頃の美希と同じこと言ってる。

2人が似ているのか、
僕が "ふつーの顔" すぎるのか…。



「美希、笑いすぎだろ」

「だって…面白すぎる…!!」

「ねーなんでー?」

「それはね…」


…気になる。


「内緒!!」

「「えー」」

明らかに残念がった2人の声が重なる。
こう言うところは僕に似てる。



「ねぇ徹くん。」

「ん?」


「愛してる!!」


「…僕もだよ。愛してる」

「行ってらっしゃーーーい!!」

「行ってきます」

2人が見送ってくれると、自然と笑みがこぼれる。



結婚して、子供も生まれた。
見た目は美希よりで可愛らしい女の子。
中身が面倒くさがりなのは残念ながら僕似かな。

綺麗な奥さんと、可愛い娘が家で待ってる。
だから僕は今日も働く。

幸せなあの家に帰るために。





嘘で始まった恋、
嘘つきだった僕ら。

でも、本当に好き同士になって。



…僕の方が愛してるけどね。

なんて、心の中で呟いた。

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