次の日のお昼、また私たちは屋上にいた。
「やっぱりここって結構高いよね、、」
四宮たまきが呟くようにそう言った。
「そう?」
私も呟くようにこたえた。
最近はこんなどうでもいいような会話を多くするようになった気がする。
「らんって明日暇?」
四宮たまきが私に聞いてきた。
「別に何もないけど、、、なんで?」
「昨日のお礼でなんか奢ろうとおもって!」
「えっ?別にいいよ?」
誰かと出かけることも全くなかったっていうのもあり、思わずそう言ってしまった。
だが、四宮たまきは、
「俺が奢りたいの!どっか行きたいとこある?」
「別にどこでもいいよ。」
簡単におしきられる私もどうかしてると思う。
「じゃあ、明日のお楽しみってことで!なんか、デートみたい笑」
四宮たまきは笑いながらそう言い、私の顔を覗き込んだ。
「私の顔になんかついてる?」
すましたふうに私は言ったけど、私の目の前に四宮たまきの顔があることに、内心少しだけ戸惑っていた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。