この日も私は四宮たまきが開けるカーテンの音で目が覚めた。
こうして私たちの2泊3日の旅行は終わった。
何だかあっという間だった。
新幹線の中でも私たちは寝ていた。
家に着いた時はもう夜の8時になっていた。
私はまだ、夢の中にいるみたいで、
沖縄で撮った写真をじっと見ていた。
私たちは幸せそうに笑っていた。
今までは考えられなかった笑顔だった。
この時にふと思った。
四宮たまきに人生を変えられた。
いや、変えてくれたんだ。
四宮たまきという人物をもっと知りたい。
いつしかそんな気持ちが大きくなっていた。
けど、私はあまかった。
今の私には、背負いきれないものだったんだ。
四宮たまきという人物は。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!