橙子はグッズを選びに行った。俺は暇だったのでちょっとぶらぶら歩いてくることにした。
あー、暇。え、あいつ一人不安とか言ってなかった?あ、それ嘘だったのか。
いやー俺も偉いよなぁー。ほぼ毎日あんな原始人と一緒にいるんだから。
俺はジュースを飲もうと思い近くの自販機へ向かった。
そして百三十円入れて炭酸のオレンジジュースを買った。
蓋を締め適当に施設を散策することにした。
橙子は多分、三十分でもすれば連絡をくれるだろう。
人口密度の多い場所を抜け出すと、男性が数名確認できた。
もちろんグッズ売り場にも男性はいるが圧倒的に女性が多い。
ベンチがあったので少し座ろうと思い腰を下ろす。
隣には帽子を被った黒髪の男性がスマートフォンをいじっていた。
俺もスマートフォンてネットサーフィンでもするかと思っていたが、
なんとなく気が変わりカバンから橙子に押し付けられた舞台のパンフレットを取り出した。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。