attention
・これは僕がこの曲が好きすぎて作ったものです
・実際の歌詞の意味と違っても怒らないで…クダサイ
・僕は歌詞の意味を全く調べてないんで、もし、自己解釈が合っててもパクリって言わないでクダサイ…
・ただの布教です←
・内容を分かりやすくするためにスターダスターの曲を載せますがダメだったら言ってください!その辺の規制とかはあまり分かってないので教えてもらえると嬉しいです!
↓曲
とある戦場
戦争中のある国は相手国のたった2人の人物によって窮地に追いやられていた
ドカーーン!!
そう言って女騎士リリアは総統に飛びかかった
そのとき
背中に激痛が走る
相手国の手練れがまだ隠れてたのか…
リリアの悲痛な声が聞こえる
大丈夫と言おうとした時に喉の奥から競り上がってきた何かに耐えられず吐き出した
それは赤い色をしていた
そしてリリアはその場にいた僕以外の全ての人間を殺戮した
リリア、すごい怒ってる
そりゃそうだ
だって僕らの国の兵たちを傷つけたんだもん
僕だって怒ってる
リリアが総統を倒して帰ってきた
あぁ…ようやく終わったんだ
この無意味な戦争が
ポタポタッ…
僕もそろそろ限界かもしれない
僕の背中からは止めどなく赤い命の証が流れ落ちている
僕はもう長くないことを確信していた
だから伝えたい…
なかなかリリアが話を聞こうとしてくれない
これじゃ、伝えたいことも伝えられない…
痛い
言葉を発することすらしたくない
だけど伝えなきゃ
僕の気持ちを…
リリアは泣いていた
多分僕がもう助からないことを察したんだと思う
違う…
伝えたいことはそれじゃない…
リリア、ごめん
そのお願いは聞けないな…
また、口から血を吐いた
目の前が朦朧としてリリアの顔さえ見えなくなっていく
早く伝えないと…
婚約者?
どういうこと?
僕の頭の中は真っ白になった
王女…?
リリアの言葉の意味がわからなかった
王女…じゃあ、ダメじゃん…
なんだ、僕リリアと同じ気持ちだと…
聞きたくない
これ以上何も…聞きたくない…
僕の目からも涙がこぼれ落ちる
あぁ…こんな姿見せたくなかったのに…
ふと、幼い頃の記憶が蘇った
それは転生魔法の本の内容
なんで、こんな時に…?
嫌だ、聞きたくない…
君と愛し合えないことを知って…
あぁ、そっか…
転生して気持ちを伝えたらいいんだ…
だから今あの頃の記憶が…
声も発せなくなってきた
なら最後に…君に、リリアに気持ちを伝えるために残しておいた力で…
目の前が真っ白になった
最後に聞こえたのは最愛の人の声だった_
さわさわと心地良い風の音で目が覚めた
目の前には美しい星空が広がっている
僕は何を…?
突然頭痛がした
そして全てを思い出す
僕は死んだ
最愛の人の腕の中で
最後に魔法を使って
声が聞こえるまで気づかなかった
全く気配を感じなかった
少し警戒する
管理人と名乗ったその女性は静かに淡々とこの場所について話し始めた
その言葉を聞いた瞬間違和感を感じた
すると彼女は機械的に答えた
そう言って彼女は立ち去ろうとした
彼女が振り返る
そして今度こそ彼女は立ち去った
僕があの世界で愛していたのはたった1人
リリアも僕と同じ気持ちだった…?
でも、魔法は失敗した
リリアと僕は愛し合っていた
じゃあ、あの時何か言いかけてたのは…
両目から感情の象徴である涙が溢れ出る
止まらない…
僕は叫ぶ
リリアへの想い
戻らない現実
最悪の失敗
不甲斐なさ
やるせなさ
その全てを詰め込んで
どれくらい時間が経ったんだろう…
涙が枯れても、声が枯れても音のない叫びをずっと続けていた
僕の周りは暗い海のような空に生命の輝きのような星
そしてどこまでも続く草原
ただそれだけだった
もう声が出ない…
疲れた
冷たい真空のような空気を吸い込む
身体が凍りついたように動けない、考えられない
いや、違う
動きたくないし、考えたくないんだ…
もう、リリアに、君に僕の気持ちを…愛を…伝えれない
渡せない
すると、止まっていたはずの涙がまた流れ出した
なんで…伝えなかったんだろ…
なんで…リリアの言葉を聞いてあげなかったんだろ…
なんで…なんで…
頭の中を占めるのはその言葉ばかり
リリア、愛してる
その言葉を伝えたいだけなのに
真っ暗な世界
時間感覚もなくただ星空が広がっている
この暗闇には何もない
あの管理人も、僕が愛する人も…
あれ…?愛する…?
本当に愛してるの…?
愛していたじゃなくて…?
違う!
今でも愛してる
そう確かめさせるように頭を振った
もう誰とも話すことがないから言葉が出せなくなっている
声も出ない
出したくない
パチン
今度は両手で自分の頬を叩いた
意思をしっかり持てと
ずっとここに居続けて、この暗闇に呑み込まれそうになる
何も考えるな
全てを忘れろ
お前は一人だ
そう言われている気がする
誰も居ないのに
大きな光を放ち流れる星を見つけた
きっと偉大な人生を送ってきた人なんだろう
今までもそんな星を見てきた
だけど、、
あの星から目が離せない
あの星は誰?
どこに行くの?
今まで止まっていた思考が動き出した
そして、気がつくと僕はあの星を追いかけるように何もない暗闇を走っていた
たどり着いたのは美しい夕焼けの空だった
どこまでも続くと思っていた暗闇はそこにはなかった
あの星はどこだろう
そう思って辺りを見回すと…
『カナタ』
そう聞こえた
久しぶりに、本当に久しぶりに名前を呼ばれた感覚がした
優しくて暖かい声で
死ぬ前の最後に聞いた声で…
返事はない
爽やかな風が通り抜けた
涙がこぼれ落ちる
止まらない
この世界にいてわかったことがある
それはこの世界に居続けると心も身体も凍ってしまうということ
時間が経つにつれ感情がなくなり、表情が消え、時間感覚も無くなっていく
頭も身体も動かない、動かしたくなくなる
なのに意識はずっとはっきりしている
そういう世界だ
僕はもう、ほとんどその状態になっていると思っていた
そしてそれでいいや、もうどうでもいいと諦めていた
確かに諦めていたのだ
だけど、今まだこうやって、感情が溢れ出している
大切な、何にも変えがたい感情がまだ凍らずに残っていた
だけど、きっともうすぐ無くなる…
確証はなくても確信していた
塵となって、僕の中から消えていく
僕には要らない、もう必要ない感情だと…
そう言っても、誰も何も応えない
これが答えだ
全てを忘れてしまう前に
消えて無くなってしまう前に
どうか…届いて…
叫ぶ
もう届かない想いを
僕の身体一つ分の力全てで
声が出なくなってきた
もう時間がないんだ
いやだ
忘れたくない
消さないで
大事な宝物なんだ
リリア、好きだよ
ずっと好きだった
綺麗に笑う顔も、なんでも真剣に取り組む姿も、僕を呼ぶその声も、僕みたいな奴らに手を差し伸べるその心も
大好きだった
伝えたかった
愛してる
本当に愛してる
今までありがとう…
さよなら僕…
そうして管理人と名乗る女性は光の粒子となって消えた
あれが管理人の最期
後には何も残らない
僕も仕事をしなければ
この世界は中身のない行き場を失った魂が複数存在することはできない
新しい空の魂が後を継ぐのだ
管理人として
管理人…またの名を
fin
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。