そう言って私はエルヴィン団長にカンペごとバトンタッチする。
すると彼はカンペを渡し返してきたので私も負けじとエルヴィン団長に押し付ける。
なにやってんだか(お前がな)
こっから先は全てエルヴィン団長の担当なので、
あとはただ突っ立ってりゃいつの間にか終わるシステムなのさ(ドヤ)
…………って言ったものの、やっぱり暇なので私は舞台袖にいるエレンきゅんを見つめる事にした。
すると私の視線に音速で気付いたエレンきゅんが、
「あなたさん!俺の方を見ていたら威厳が無くなりますよ!早く正面を見て下さい!:;(∩´﹏`∩);:」
と思っているのが分かった。
…………え?なんで分かるのかって?
そんなのテレパシーに決まっているじゃあないk((殴
エレンきゅんの忠告に従いエルヴィン団長の演説にまた注意を向けると、
時間が経つのは早いもので、もう演説の終盤に差し掛かっていた。
エルヴィン「もう一度言う…
調査兵団に入るためにこの場に残るものは近々殆ど死ぬだろう。
自分に聞いてみてくれ。
人類のために心臓を捧げることができるのかを。」
その言葉を聞いた瞬間、自分の胸にドサッと重りがのしかかったみたいに感じた。
__________そうだよ、、これは私にだって十分あり得る話なんだよね...。
いくらチートトリップ夢小説の王道をいってるとしても、
この物語の中で私がハッピーエンドを迎えるまで生きている保証なんてどこにもない。
気づいたらエルヴィン団長の演説が終わっていて、
目の前には104期調査兵団21名が残っているだけで、あたりはシンと静けさに包まれていた。
みんなの一段と凛々しくなった表情を見た私は涙が溢れて止まらなくなる。
エルヴィン「…………っ?!…あなた?急にどうした?」
『なんかっ、こう、胸がグワァーってなってッ…!』
そして私は子供みたいにワンワン泣きながら、104期ちゃん達に向かってダッシュする。
見境なく104期ちゃん達の群れに思いっきりダイブする私を
ガシッと力強く受け止めてくれたミカサたんの胸の中で私は決意した。
__________チート能力に頼りきらず、もっといっぱいいっぱい特訓して強くなって、
__________副兵士長として、
__________1人のファンとして、
絶対にこの子達を私の最後の時まで守ってみせる。
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待ってひっさびさになんだか重いストーリーになったんだけど
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。