「あなたさんはさ、累のどこがいいの?」
「え?」
「………」
「そっか。あのさ、ひとつ言いたいんだけどさ。」
「累で遊ばないで欲しい。
例え、あなたさんが累で遊んでなかろうが伝えておきたいんだ。」
「あの子ね、親に偉い子すぎてつまんないって言われたのを聞いていたのよ」
「親を楽にしてあげたいからって今まで勉強もスポーツも家事までやっていたんだけどね、つまんないって言ってたの聞いてグレ始めたんだ。」
「累ってねほんとにいい子なの。だから、悪い人とは付き合って欲しくなくて」
「まだ私はあなたを信用出来てないかな。」
「ごめんなさいけど、この男子校にいるってことは何かしたから飛ばされてきたんじゃないの?」
「え?」
「………とにかく累には近づかないで」
「累の幸せは私が取ってあげないと」
「は、、」
「累は大切な弟なの。私が大事にしてあげないと。」
「は、、、」
ガサッ
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!