*あなたside*
『…………………ねえ。』
ぽかぽか陽気の昼下がり。
ソファに座りながらスマホを触る私。
そんな私を不満そうに見つめる視線がひとつ。
『…ん。どしたの莉犬。』
『どしたの莉犬じゃないよ!!さっきから何してるの!!』
『えっと……Twitter?』
『……何見てるの。』
『えっとね~?最近出たるぅとさんの歌みt』
『もー!!!いっつもるぅとくん!!そんなにるぅとくんが好きなの!?!?』
なんで俺単推しじゃないの!?!?
と嘆く莉犬。
そうです。
あのすとぷりの赤いわんわん、莉犬くんは私の彼氏さんです。
赤いわんわんと呼ばれる通り………まあ、本当に犬みたいに構ってちゃんで…………。
正直言って可愛い。わんこ。本当にわんこ。
可愛い(2回目)
それに対して私は………
『最推しはるぅとさんだからね~。仕方ない。』
『仕方なく無いのっ!!!』
『えぇ…………』
まあこの通り、素直じゃないやつでして。
最推しるぅとさん~とか言ってるけど、それはあくまでもlikeの方であって
もちろん莉犬はloveの方の感情を抱いております。
でも本人にそんな素直に言えるわけがなくて…………
『…………あなたはそんなにるぅとくんがいいの……?』
『え"っ』
ほらまたこうやって莉犬を傷付けてしまう。
もうちょっと素直になれたらなぁ………。
『…………推しと彼氏は違うの。』
『…でもさっきまでずっとるぅとくん見てて俺に構ってくれなかったじゃんかあ……』
ウッそうですその通りです()
うわわ………完璧に( ´・ω・`)ってなっちゃってる………
下に垂れてる尻尾が想像できるよ…………
頑張れ。素直になるんだ私。
『……………莉犬。』
『……何…………って、え?え?』
『莉犬の好きなぎゅー。』
『…あなた~!!!!!』
私が抱きしめた2倍の力で抱きしめてくる莉犬。
ちょろいな。←
てか、
ちょっと苦しい。
でも究極に可愛い。
『ごめんね?莉犬。ちゃんと、構うから』
『言ったよ?ちゃんと構ってよ?』
『うん』
『へへ。なんだかんだ言ってあなたも俺の事大好きだよね~?』
『うるさい!!!』
こんな犬系彼氏、どうですか?
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!