第14話

続き**
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2019/10/12 16:12
*あなたside*















『りっ…………りい、ぬ』




『なあに?あなた。』













何とか莉犬の手を振り切って、即座に距離を取る。





だが、行き着いたのは部屋の隅。

背中には硬い壁の感触が。








莉犬はお構いなしに薄く微笑みながらじわじわと距離を詰めてくる。




うん怖いな?()













『酔ってるでしょ?』




『酔ってないよ』




『嘘絶対酔ってる』















酔ってないと言っている人ほど酔っているのはお決まりだ。


莉犬の頬はいつもの八割増しで赤い。つまり真っ赤。






そっと莉犬の温かい手が逃げ場を失った私の頬へと伸びる。




その光景が数年前の私の記憶と重なり、フラッシュバックする。




自分の肩がビクッと動いたのが分かった。










『……俺とするの、そんなにイヤ……?』




『…………!?』









よく見ると莉犬の顔は辛くて悲しそうな表情をしていて。








『ち、ちが………』













ちゃんと説明したいのにうまく言葉が出てこない。


私の頭の中は先程フラッシュバックした*モノ*で埋め尽くされている。







ポロポロと望んでもいない涙が溢れてくる。








その様子を見た莉犬は余計に眉をハの字に曲げ、そっと私から離れた。




さっきまで感じていた温もりが消えヒュッと寒さが押し寄せてくる。









『…………ごめんね。……俺、もう寝るね。』




















*待って*











その言葉が言えない。






















*ほら、こっち向けよ*



*抵抗すんじゃねえよ*



*っ…………しつこいなあ!!!*























やめて。











お願い。











助けて。










離れないで。













莉犬………………。




















─────一人に、しないで─────

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