「そうかな」海人のその言葉をかき消すように私は「海人、理科教えてよ」と話を変え、教えてもらうことにした。
やっぱり海人は頭がいいだけあって、教え方が上手でわかりやすい。
それと同時に理科に興味がなさすぎて、ものすごく大きな睡魔に襲われる。
ペチッと頭を叩かれた衝撃で一気に眠気が覚めた。
私「痛っ」
海人「せっかく俺が教えてやってるのに寝んなよ」
私ごめん」
海人「可愛すぎるんだよお前は」
何この感情。初めての感情。
海人「あのさ、俺生まれて初めて本気で恋をした。それがお前なんだよ」
「え?」状況が理解できない私。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!