第6話

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2020/12/06 02:53
そして僕らは逃げ出した
この狭い狭いこの世界から
家族も、
クラスの奴らも
全部捨てて君とふたりで。
君
…ねぇ
歩いていると、ふと君に話しかけられた
僕
なに?
そう返すと君は
君
あの、さ
死ぬ時は一緒がいいな…
と、弱々しい声で呟いた
僕は
僕
もちろん!
と、笑って見せた
すると君は、安心したように
君
じゃあ、もっと遠い遠い場所で
二人で死のうよ
僕
うん
僕は頷いた。
そして、今まで貯めていた思いを吐き出した
僕
もう、この世界に価値などないよ。
君もそう思うでしょ?
僕
人殺しなんてそこら中湧いてるじゃん
人殺し所じゃない奴だっている
僕
君は何も悪くないよ。
ここまで言い切ると、君は
君
…ありがとう
少し複雑な顔をしている様に見えたのは、
きっと、気のせいだろう

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