昨日見つけた地下室とあのノートに記されていたことが気になって仕方がない。
そのせいで、気がついたら下校時間だった。
「━━━━━━━━━━━━━━輩!」
「━━━━━━━━━━━先輩!!」
いきなり肩を捕まれ驚き後ろを向くと…
『えっと…緑谷君だっけ?』
緑谷「そうです!あの…」
『暇なら今からお茶しね?』
緑谷「はい!」
何か俺に聞きたいことがあるんだろうと思いお茶に誘った。
喫茶店に入り、緑谷はオレンジジュース俺はイチゴバナナチョコスペシャルパフェを注文した。
緑谷「あの、先輩はなんで、ヒーローを…」
『目指したのかって?』
すると気まずそうに頷く緑谷
真剣な表情をしながら緑谷を見て言った。
『金だよ、金。それ以外に興味なんてねぇよ。』
緑谷は、驚きのあまり固まってしまっていた。
『俺は、オールマイトみたいになりたいなんて思ってない。』
緑谷「憧れているヒーローはいないんですか?」
興味津々の表情で聞いてくる緑谷。
『俺は、産まれてから今までヒーローに憧れたことなんてねぇよ』
パフェを頬張りながら緑谷に強めの口調で伝えた。
‹私、オールマイトみたいなヒーローになりたい!あなた君もなろう!›
«俺は、“家族”を守れるヒーローになりたい!姉ちゃんと母さん、父さん屋敷の皆を俺が守れるぐらいの男になりたい!»
‹じゃあ、私はあなた君が危なくなったら助けてあげるね!›
«なんで、女のお姉ちゃんに助けられなきゃいけないんだよ»
あぁ、懐かしい思い出た。
あの時は、幸せだった……。
みんな笑顔だったのに…
だけど、今は何もかもどうでもよくてなりにより姉と昨日見たノートの事以外は興味がない。
緑谷にも、興味もない。
ヒーローにもだ。
あのノートの続きが気になって仕方がない。
当たり前か…
家が研究所だったなんて…
考えただけで気分が悪くk……ん?
『悪い、緑谷。俺用事出来たから帰るな』
と代金を置きその場を後にした。
家が研究所なら
あのノートに書かれていた少年の実験がされた部屋があの地下のどこかにあるってことになる。
俺はどんどん走るスピードを早める。
家に着き、地下室への扉の前に立った。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。