第4話

臆病
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2021/04/27 01:05
俺が10歳の頃














姉は、両親を殺した。










白いドレスが赤色に所々染まっていた。












そして、嬉しそうに












リビングで音楽をかけ、踊っていた。












足元には、両親であろう肉片があった。













俺は、また眺めているだけだった。












「あなた君、私と一緒に行かない?」



姉は微笑みながら、俺に手を差し伸べてくれた。













だけど…俺は…












『お前はお姉ちゃんじゃない!化け物だ!』




その言葉に姉は、目を見開き悲しい表情を浮かべ微笑んでいた。






「また、次会った時は私の手を取ってくれる?」







『二度とお前なんかと会うもんか!』











あの時、姉の手を取っていれば














俺の人生は















幸せだったのだろうか。












この時の俺











『お姉ちゃんが…お姉ちゃんが、お父さんやお母さんを狂わせたんだ!』














全て












姉のせいにしていた。

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