『父さん!母さん!見て見て!』
「まぁ、上手に出来たわね」
と微笑む母
「おぉ、お前は凄いな!」
俺の頭を撫でる父
「もう!私だって負けないんだから!」
拗ねながら笑う姉
傍から見ると、ごく普通な家族だ
けど…
実際は…
豪邸に響き渡る姉の叫び声
「何であんたは出来ないの!」
姉をムチで打つ母
「あぁ、可哀想に…愛してるよ…」
ベットの上で姉を性のはけ口にして楽しむ父
夜中に隣の部屋から姉の喘ぎ声が響く
「貴方だけよ…私の大切な息子…」
俺に好意を持っている母
「お前は私の自慢の息子だ!」
俺を道具としてしか見えない父
俺は…
『自由になりたい…』
俺は、4歳ながら
自分がいくら足掻いても自由になれないこと知った。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!