じんstory.
いつもと変わらない病室に機械の音。
やっぱり僕に見方はいないのかな、なんて思うぐらい真っ白な部屋に1人の女の子が眠っていたんだ。
その子は真っ白だった。
まるで、1度も悲しい思いや辛い思いを味わってことの無いような潔白な感じ。
僕にとってはそんな子がすごく羨ましい。
今だって自由じゃない僕は
そんな子と入れ替われたらどんなに幸せなんだろうなんて変なこと思うけれど
🐹「あの……どちら様でしょうか……?」
目覚めた君にそう僕は問う。
すると君は一瞬目を見開いてから
『私は イム あなた です。』
そう答えた。
君はどこか
変わっているきがした。
何故だろう
君は変な形のした携帯を持っていた。
僕はそういうのにすごく興味がある方で
「 僕のとちょっと変わってるね 」だなんて、遠回しに言ってみる。
すると、君もビックリした顔でいきなりなにか慌てたようにスマホの中身を見ていた。
そして、すぐにカレンダーを見た。
僕が持っている病気というのはとても複雑なもんで
僕は僕が1度わからなくなるんだ。
そして、他の人だって
両親だって
今までの彼女、大事な人までもを忘れてしまう。
ある意味、僕みたいなのが
悪魔と呼ぶらしい ____ .
でも、そんな 悪魔 には、寿命があって
👩⚕️「そうですね……まだ体は良心的な方向ですので心配ないでしょう」
🐹「はぁ………」
なんでだろう
こんなに生きることに緊張を感じているから、楽になりたいはずなのに
死ぬのも怖いだなんて
結構幸せな悩みだな ____ .
じんstory END.
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!