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「この裏切り者がぁああ!!」
八萬の太腕がチィーに向かって降りおろされる。
ガッ!!
チィーが吹き飛ばされることはなく、目の前に立っていたのは
アーシィはそう言ってチィーの頭をポン、ポンと撫でた。
そう言って優しく微笑んだ。
「ーーークククッ。随分と泣ける話じゃねぇか、
アーシィ………。」
「可愛い可愛い孫のために自ら俺に殺されにきたか?それとも自分の命を差し出してコイツらの命乞いか?」
「どちらにせよ俺に袋叩きにされることには変わりねぇがなぁ。」
「戦う力も持たねぇ占い師風情が…俺に楯突いてんじゃねぇ!!」
ドゴォッ!!
「がっ………!?」
そう言って自らが吹き飛ばした巨体を無表情で見据える。
そして無様に地に伏せた八萬の姿を見て嗤った。
バゴンッ!!
ドゴンッ!!
ガァンッ!!
ドォンッ!!
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あまりにも一方的な暴力、といっても過言ではないアーシィの力に茫然とする。
目の前で繰り広げられる惨劇に背筋が凍る。
それほどアーシィの感情の爆発は苛烈だった。
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いつもの調子に戻ったアーシィに強張っていた肩の力を抜いて歩み寄る3人。
アーシィの発言に再びゾクリとしたものを感じつつも、
そう言ってコツリとアーシィの肩に額を乗せる
チィー。
リャンもアーシィの腕を掴む。
ウパが俯いてアーシィの服の裾を握った。
4人は再び笑い合った。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。