第15話

さところ ⟲ 忘愛症候群 ②
833
2020/04/09 02:28
さとみ side














ピッ ピッ ピッ ピッ






あれから 4日が経った








君はまだ



白いベッドの上




















馬鹿だな



俺を助けて



トラックに引かれるなんて





早く会いたい


声聞きたいよ




馬鹿 , …










目が覚めない彼の手を




ぎゅ ッ と握る





俺がいけなかったんだ











俺があの時 …





ちゃんと気づいてたら …









後悔しても仕方ないのに






俺の行動に あきれることしか出来なくて


















早く目覚めろ馬鹿 …









俺はこの4日間


付きっきりで こいつの手を握っている





寝れるわけない


離れられるわけない







俺のせいなんだから






























こ 「 … んぅ … ッ 」








…え?


















俺の握った手は


かすかな 握力 を感じる









まさかと思って





君を見る





















さ 「 ころん … ?? 」













君の 青色の 瞳に

はっきりと映る 自分の顔











起きた .







ころんが … ッ













さ 「 ころん!! 」






俺は 思わず抱きつく .




きみを 抱きしめたくてしょうが無かった .



それが




やっとかなった
















さ 「 はぁ , ころん 、 ころん … ッ !!! 」










強く強く 、 痛いという程に 抱きしめる








ちゃんと生きていたことにもう 感動を覚えていた







… だが俺は









次の発言で









全てを悟った



























こ 「 … あの … ッ

















誰 , ですか ? 」














俺の耳に



はっきりと入ってきた言葉だった










誰 、













俺は 何も言えなかった












1度離れる









思い返せば

俺の顔が 見えないまま 抱きしめてしまったな


と おもって








こ 「 はは , ごめんごめん , 俺だよ さとみ! 」




目をうるわせて そう言うと , やはり 手は 勝手に動きだして


ころんの手を握り








さ 「 よかったぁ … 」






そんな声を漏らす















けど君は



















こ 「 えちょ … ッ ,



だから




誰ですか … !? 」















目には




知らない人として映っていた




俺がいた




























な 「 あ , さとみくん 、



え 、 ころちゃん !? 起きたの !? 」









がらり 、


と 戸を開けて いつもの声を出す リーダー .


なーくん








そんな声を出していられるのも今のうちだ




そんなことを思えば 俺は 口を開く







さ 「 なーくん , こいつ 記憶 なくして … !!! 」






こ 「 なーくん ! 」


















… え ??




















いま







なーくん ッ て …

















な 「 ころん!

やっと起きたの !? 遅いよもう!!! ‪w 」







2人は ぎゅう、 と 抱きしめ合う







… は?















さ 「 … ころん , え、 ころん ?? ‪w


冗談きついから、ねえ‪w 」






軽く肩を触れる










彼は びくっとして








こ 「 え ?? , あ いや えと … ? 」












… やはり












俺の記憶が無い

















その後





莉犬


るぅと


ジェル


と ,



みんなが 揃った .






だが はっきりと言えたのは



記憶を失われているのは 俺だけ .





俺の記憶だけ しっかりと無いのだ .






信じられなかった



















な 「 なにか … 特殊な 記憶喪失 とか … ?? 」




る 「 大丈夫です ッ て .


きっと 頭打ったんですよ


すぐに思い出します 」







莉 「 ころちゃんに限って そんな事あるわけないよ 」





ジ 「 せやな .


とりあえず今は 待つのが ええって . 」











俺はみんなの言葉を信じて









たくさん待ち続けた









… そして、













明かされた




驚きの事実

























先 「 さとみさん 、 よく聞いてください




















彼は













“ 忘愛症候群 ”




です 」












もう俺は




何が何だか 分からなかった

















先 「 辛い話になってしまうけど









彼は トラック に 跳ねられた時に 打った 頭 に ,

特殊な 損傷 が見られた





そして 失われた

さとみさんだけの記憶









一致するのは この病気しか ありません 」












… ま




何だかよく分からくて









さ 「 ちょ , ちょ待って下さい



それなんなんですか ? 」













空いた口が閉まることは無かった














医者の先生も





息を吸う













先 「 これは





愛している人の 記憶だけが なくなる








という 一種の 記憶喪失です. 」













… え?












愛してる人の記憶を …
















先 「 さとみさん は ころんさんに愛されていたんです



だから さとみさんの 記憶だけ失われた .


そう考えられます 」












あまりにもはっきり言うから .



俺はついていけない











さ 「 … それ , 俺を思い出すことは あるんですか ?? 」



多少早口になる 俺の口 .











医者は 眉を下げる












そのあとの答えは







考えたくもなかった

















先 「 … ころんさんが 記憶を取り戻す方法 は ただ1つ


















さとみさんの “ 死 ”です 」












先 「 さとみさん が 死ぬことによって



自動的に ころんさんは さとみさん の 記憶を 取り戻すことができます



ですが







さとみさん が この世に 存在している限り










ころんさんが 記憶を 戻すことはありません 」















その瞬間




俺の目の前は 真っ暗になった


















忘れる ?? ころんが俺を ??



冗談じゃねぇ 。

どんな夢だこれ .





嘘だろ ??






なぁ , 嘘って言えよ











馬鹿じゃねぇの…
















俺は 病室で1人








君の目の前で 涙を零した
















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