第11話

るぅとクン が告白 するまでの 365日
903
2020/03/29 22:40
「 … ジェル くん . 」











「 ん ? なんや るぅと . 」










ああ .



こーやって 声をかけられるのも ,


あと 1年なンだね .


















4月








莉 「 あ ~ , 俺らも や ッ と 2年 だねぇ ~ るぅとくん !」



る 「 そうだね … !

莉犬 , 何組 ?? 」



莉 「 俺 2組 !! 」

る 「 あ ~ 離れちゃ ッ た.僕 3組 … . 」

莉 「 大丈夫 だ ッ て !

隣じゃン !!! 」







… 進級初日 .


僕らは 2年生になった .






クラス表 の 前で ,


2人で 顔を見合せ 喋 ッ て いたところ …







ジ 「 るぅりいぬ !!! 」












ドキッ










… この声 …







莉 「 あ , ジェル . 」









… や ッ ぱり .







一息ついて , 振り向く 。






る 「 ジェル くん も 3年生ですか … .

心配ですね . 」




ケラッ と 笑 ッ て は そう述べる .

もう … 3年 … .






ジ 「 心配 て なんや W


せやで ? もう 卒業なンて 実感 湧かンのやけど W」







… そうだね .





僕もだよ … .












こ 「 … あ , や ッ ほ ~ 2年生にな ッ た 2人と ~

え , なんで 此処 に いンの ジェル くん ‪w 」





桜が 舞い散る 中 ,

ころちゃん の 声 が 透き通るように 響き渡る .


ジ 「 今 この2人 の 進級祝い してたんよ !! 」




ドヤッ て そう言う 彼 .


莉 「 いや , まだ おめでとう も 言われてないけど ‪w 」



アハハ と 笑う莉犬 .


同情する .





こ 「 ま ~ , 2人とも おめでと !

てか 僕は ともかく ,ジェルくんは 受験生 だねェ .」



ジェル くん の 方を みて そう笑う ころちゃん .



… そう .



ころちゃん に ジェルくん は

今年 3年生 .




ちなみに さとみくん と なーくん は , もう 大学生 .

この学校 の 一貫校 に 通ッている

… 普通なら この学校 , 一貫校であり ,

受験しなくても 大学へ 入れるのだが …



… 聞いた話 , ジェル くん は 他の学校 を 受けるらしい .




… 馬鹿みたいだよ .


あと1年なのに .


自分の気持ち も 未だ 伝えられないなンて .






る 「 … .」







こ 「 … ??」













5月 .









な 「 や ~ ッ , るぅちゃん も 先輩 に な ッ た んだねェ ~ ‪w 」


食堂 にて .


一緒に話している のは

なーくん .




る 「 そうですね … . とはい ッ ても , 後輩との 繋がり ッ て あんまり ないンですよね .

自分のことで 精一杯でして … ‪w 」




な 「 あ ~ , そうだよね .

大変だね ~ …」



もう 大学生 の 彼は , 僕の気持ち に 寄り添ッて 話を 聞いてくれる .

いつだ ッ て そうだ .

本当に頼り に なるというか … .

僕も , 片想い のことを この人 に 言 ッ ても いいンじゃないか .と 思 ッ ているのだが … .

中々 言い出せないもので .




… 誰にも 言 ッ たことがない , この気持ち .

どうしたらいいんだろ .


あと1年しか ないのに .













6月








る「 … 誕生日 , か … 」








カレンダー の 前で 睨み合う 自分 .

来月は ジェル くん の誕生日 .

好きなのに , 何が欲しいとか , 何が 好きとか ,

意外と 知らなくて .


我ながら 呆れたものだ .

どうしよう . そう思 ッ たとき .






トゥルルルル .







る 「 … ん ?? 」




スマホ が 鳴る .


手に取る と , 電話先 は さとみくん だ ッ た .


る 「 はい . 」




何の用か と ,

電話を 取り そう 言うと ,

“ るぅと !!!


10分以内 に いつもの 公園な !!!

じゃ !!! ”









ブツンッ










… はい ??





え , え ??





何が何だか 分からなか ッ たが , とりあえず 公園に 向かう .





… あ , いつもの 公園 とは ,

この 6人 で 相談事 や , 話し合いたい時 .

勿論 ただ 遊ぶ時も ,

大体 の ことを してきた ,

全員の 家から 大体 平等に 近い 公園 である .

僕は 必要最低限 の もの を 持つと , 公園 へ 向かう .

息を切らし , 到着しては 公園 を 覗くと ,

そこには さところ の 姿 が .



る 「 … あ , あの … . 」





その ひと声で , 2人は 一斉に 此方 へ 目線を 向ける .


こ 「 あ , るぅとくん ~ 」


ブランコ に 座 ッ た ころちゃん に 手招き される と , 僕は 早歩きで ころちゃん の 方へ 向かうと ,


“ な , なんですか … ? ”

と いかにも 不審が ッ た 声で そう言うと ,

ころちゃん と さとみくん は 顔を見合わせる.



なンの事やら .

さ ッ ぱり 分からない .


すると 2人は クスッ と 笑う .

次に 口を開いたのは さとみくんだ ッ た .






さ 「 … なァ , お前 ジェル の事 好き ? 」









… え









ボッ

と 音が 聞こえる 程に ,

僕の 顔は 真 ッ 赤に なる .


何故 そのことを … !?





こ 「 ぶは W

図星じゃン さすが 僕 W 」





る 「 … え ? え ?? 」





ポカン と する僕に ,

さとみくん は 全てを 説明する .





さ 「 いやさ , ころんが , 最近 るぅとくん が ジェルくんの 話に なると 黙り込むことが 多くて , とか 言うからサ .

もしかしたら ~ ッ て 思って .

にしても 好き か 嫌いか ど ッ ち か かな ~ ッ て 思 ッ たから ‪w


好きなんやね ?? ‪w 」






… な .


な … ッ !!!





る 「 いッ , 言わないで下さい … ッ !!! 」



僕は その一心で , そう叫ぶ .

なんで , そんなに 顔に出てたかな.

もしかして 本人にも バレて … !?





こ 「 … ふは ‪w 大丈夫 , 言わないよ .

僕らは 協力 したい だけだよ W 」


… え .






こ 「 分かるよ . 男 好きになる ッ て , 不安だし , 怖いし , 自分に 自信持てなくな ッ て .

… けど , 好きにならなければ よか ッた なんて 思ッて 欲しくない 。

だから … ね . 」




ころちゃんは さとみくん を 見上げ , フッ と 笑う .


さ 「 ころん … .」




こ 「 僕ら が 付き合 ッ てるの 知ッてる でしょ ??

アドバイス とか 出来ることあったら 言うよ ッ !

ああ見えて ジェルくん , 鈍感だしね ‪w 」





… いつもの ころちゃん とは 打 ッ て変わ ッ て 頼もしいことを 言う .





… 素直になれ .

自分 .



素直になれ .


ここで 素直になれなくてどうするの .



言え…

言うんだ自分 … ッ !!!







る 「 …ッ …









どうや ッ たら ,


振り向いて貰えますかね … ッ … ?








僕でも …



好きにな ッ て 貰えるのですか … ?」






きゅうう と 締め付けられる .


こんな事を 言ッたのは

初めてで .










2人は 笑う .





さと . ころ

「 勿論 ッ !!! 」


















僕は ,


この日から アプローチ を すると ,



決めた .





遅か ッ たよね .

でも 僕 ,




君を 諦めきれないんだ .














例え



振られたとしても .














7月 .







買 ッ て , しま ッ た … !!!



ジェル くん への … ッ

誕生日 プレゼント … !!!




さとみくん に ころちゃん の サポート も あり ,

や ッ と 買えた , プレゼント .

中身 は ネックレス .




… き ッ と , 2人がいなかッたら ,

絶対に 買おう なんて 思えていなか ッ た .

… だから ,



せめて


自分 に 自信が 持てるように … .






ジ 「 … るぅと ? 」








る 「 わ !?」






背後に 現れたのは , 本人 .

ジェル くんだ .







そういえば …


ジェル くん を 呼び出していたンだ ッ た … .


まずい … , 急すぎて 心の準備が … !!!





… 咄嗟に ネックレス の 入った 袋 を 隠す .




ジ 「 … ?? どしたん るぅと .


用 が ある ゆうから 来てやッ たんに . 」




ドクン ,

ドクン ,

ドクン ,

ドクン ,







… 言うんだ . るぅと .


今しかないよ .


どうしよう 声が出ない .



る 「 … ッ , 」



震える .

声が 出ない .

どうしよう , ころちゃん , さとみくん … !!!







な 「 あ , お ~ い !!! ジェル く ~ ん !? 」






ビクッ




ジ 「 … え , なーくん !?」





空の方から 聞こえた なー君の声は ,

校舎 の 窓から こちらを 覗いていた .






な 「 あれ , るぅとくん もいるじゃん.

ごめんね 取り込み中に~

ちょっと 来て貰える ~ ?? 」




校舎 から 此方へ 一生懸命 叫ぶ なーくん.

ジェル くんも ,

“ 了解 ~ ”

なんて 返事をする .

… どうしよう. 行ってしまう .
どうしよう , どうしよう … !!!



ジ 「 ごめん るぅと …


俺行かな. 後で また 聞きに来るからなッ , ごめん! 」







ジェル くん は 自分の真横を 通り過ぎ , 走っていく .





… また 次 .



また その次 .




そうや ッ て ,



ず ッ と


ず ッ と







先延ばしにして .



大事なことから いつも 目を背けて .






僕に必要なのは


協力とか

ネックレス とか





そうじゃなくて …






る 「 … ジェルくん !!! 」






ジ 「 … え ? 」





る 「 … ッ … ,


お誕生日おめでとう ッ … !!!

これ , プレゼント です!!!」






… ほんの少しの 勇気だ .





ジェル くん は , 僕の 声とともに , こちらへ 歩み寄る .



差し出した 袋 を 受け取る と , いつもの笑顔を見せる .



ジ 「 … ほんまに?


… 嬉しい … ありがとな !!」







袋を 見せつけて , ニパッ と 笑う君 .


そして そのまま , また 走り出す.











… 言えた .











言えた … !!!











る 「 や ッ たぁ … !!! 」




喜んでくれた .

笑ッてくれた .


貰ッてくれた .













ただただ 嬉しくて …






僕は 校舎裏 で 喜びを噛み締めながら.


蝉の音を 聞いては , 教室に戻った .














8月 .













莉 「 は ァ , 夏期講習 つらァ !!!」



そう 訴える 莉犬 .

本当に 共感でしかない .


午前中から 夜まで ,

勉強漬け である .



そろそろ 体力的 にも 精神的にも だいぶ … .



そんなとき .















な 「 みてこれ !!! プール の チケット ~ ♡


皆で行こう !!! プール !!! 」








なーくん は 全員を 公園に集めると , プール の チケット 丁度 6枚分を 並べ , そう言い放つ .




一気に明るくなる 6人 .


というわけで 今日は プール に 来ている訳だが … .





さ 「 あれやろうぜ スライダー !!!

ぜッてエ 楽しい ッ !!!」



目を輝かす さとみくん .

対して …




こ 「 いやいやいやいや‪w


別に 僕は や ッ ても いいけど ~ !!! 絶対 おもんないて !! あんなん !! ‪w 」



全面に 怖い と いう オーラ を 放つ ころちゃん .



ジ 「 さところは 仲ええなぁ ~ ‪w 」




ドッキン ッ !!!







ジェルくん …


水着 … ッ ,







ッ て !!!

これじゃ 僕 変態みたいじゃないですか !!!


駄目だよ 僕!!

正気を取り戻せ … !!!




頬を ペチペチ と 叩く .




はぁ , なんて ため息をついていると ,




さ 「 じゃ , じぇるぅと で 乗ってね ~ !!!」




莉 「 なーくん やばいよ 高いよおおお 泣 」


な 「 大丈夫 だ ッ て ~ ‪w」








… へ ??












気付いたら 僕らは



スライダー の 列に 並んでいた .






ジ 「 うぉ , 高いなぁ ~ … ‪w」








そして もう

スライダー の 入口付近である .






ほんとに 高いところ .














…はい !?



え 僕 ジェル くん と 相乗り !? え !?



そんなことを 考えているのを 察したかのように ,

さところ は 僕に ウィンクしてくる .




… 嘘でしょ?? 嘘でしょ .



ドキドキドキドキ … ッ !!!









ジェルくんは ただただ 周りの景色を見て感心してる .


いや感心してる場合か (




すると 彼は , 奥の方に見える 富士山 を 指さす







ジ「 わ … , すげーよ るぅと, あれ 富士山じゃ … 」






ピト
















る 「 ふぁあ !? 」




ずざざっ , と 後ずさりする .



ジェル くん は 不意打ちで 僕の肩に 手を 乗せる .


僕は それどころじゃないッていうのに … !!!






ジ 「 え , るぅとなに , そんなに 怖いん ??‪w 」


いやそれも そーだけど !!!







… や ッ ぱ , まだ 意識の ひとつも されてないんだな.


虚しい .

ネックレス まで 渡したのに .

少しは 意識してくれてもいいんじゃないですか … !!!







ジ 「 るぅと … ?

ほら 乗って . ほら !!! 」



る 「 んえ !?」



あ" … ッ!!!



ジェ , ジェル くん の 足に 挟まれ … !?




ガタン ,










バシャアアアアアアアン







ジ 「 うぉああああああああああああああああ !!!!? 」



る 「 わぁああああああああああああああ !!!!!! 」






























ジ 「 ふぁ , はっはっは ‪w


やばい 楽しいW



るぅと ?? 大丈夫か ?? ‪w」













やばい













… 腰抜けた (








え 待ってやばい 立てない普通に .


え , え ?? 何が起きた ??







スライダー の ゴール付近 で 止まったまま , 動けなか ッ た .






ジ 「 … ? るぅと ~ ? 大丈夫 か … ?」


る 「 た ッ , 立てません … !!! 」




僕は 泣きっ面 で そう 言う .



足が ガクガク して ,

腰に 力が 入らない .





… その瞬間











ザパァ!!!









… っえ ,








ジ 「 ごめんて . 我慢せえ . 」






る 「 … はぇ !?」





彼は しれっと , 僕を お姫様抱っこ で 持ち上げる .


今日は 驚かされてばかりだ .


る 「 ジェルくん 降ろしてください 歩けますから … !!!」


僕は そう言う と , 強引に ジェルくん から 降りる .





… と ,



足が ガクンッ と 力が抜け ,



そのまま フラリ と 前かがみに 倒れる .



る 「 わ ッ !!! 」




ジ 「 … !!!」









ぐいっ















僕を支えてくれたのは ,

ジェル くん で .







ぎゅっと 受け止めてくれた .





る 「 …っ …!!!」







ジ 「 ばか 危ないやん , 立ててへんし… 無理しすぎやねん , スライダー 無理なら 無理ッて 言ってくれたら 良かったんに … ! 」









… 心配 を かけてしま ッ た ,




ジェル くん は いつもより 少し早口 で そう 述べる と , いつもの 笑顔を見せる.









… ずるい .







ばかは そっちですよ , ばか … .













さ 「 え るぅと !? 」


こ 「 大丈夫 !? ‪w 」








さところ が 此方へ 駆け寄る .





る 「 は , はい 平気です … ちょっと 立てなく … ‪w」






えへへ なんて 笑うと ,


ころちゃんは 大きな声で



“ なんかぁ , カレカノっぽいね!!! ふたり !!! ”



と 言い出す .


否定する暇もなく , ジェルくんは 一目散に ,



「 は !? あほやないの !?

やめてや ころん … !!! 」





僕は 思わず 黙り込む .


… そんなに否定しなくてもいいじゃん .









… そう 思わせたままで いいのに .







そのまま 恋に落ちちゃってもいいのに … .
















9月 .











本格的に 受験モード に 突入した 夏休みを 過ぎ ,

いよいよ 学校も 始まる.


ジェル くん は 思い切り 受験モード であった .








移動教室の時


わざわざ 遠回りを して 3年生の教室を 通る .






それが 日課で .



大体 廊下で すれ違うと ,

手を振ッてくれて .



振り返して , 嬉しいな .

なんて 思うのに .



最近は 廊下にもいない .







昼休み .





借りた本を返しに 図書室を覗く .









と ,











ジェル くん がいた .








それも , 机に 突っ伏して 寝ていたのだ .






る 「 …ジェルくん … 」




僕は 思わず , 隣に座る .






2人きりの空間 .



窓からは 風が 入り ,


室内は 丁度いい気温になっていた .






… ジェルくん の寝ている 下には , たくさんの 参考書や ノート 。

努力の 証が あった .







… こんなに必死に .



何処へ 行くつもりなの ?










… ジェルくん .








サラ… .









髪の毛 を 触る .






サラサラ な オレンジの髪の毛は , 風になびいて , 太陽 が あたり , きらきらと 輝いていた .











る 「 … 好きです … 」









こんな時しか言えない








そんな僕を 許してください … .












10月 .













2年生の後半も過ぎ ,



僕は 作詞作曲 に 励んでいた .





自分のしたいことを する為に , 毎日 作詞をして .









その度に 君を思い出して , 頑張 ッ ていた .













ジ 「 るぅと いる ~ ?? 」



ガタタタタタンッ











教室の ドアの向こうから 聞こえてきたのは ジェルくんの声だった .






僕を 呼ンだ .













る 「 なんですか ッ , ジェルくん ! 」




少なからず いつもの 顔で .

ジェル くんに 話しかける .




ジェル くんは にっとわらうと ,



僕の手を 引ッ張ッては 無言で 歩き出す .







る 「 … え , ジェルくん ? 」









当然 , どこに向かっているのか分からないまま ,

僕は ジェル くん に身を任せ , 着いていッた .











そして着いたのは …







7月の あの日 .


僕が ジェルくんに 誕生日プレゼント を 渡した 場所だった .







ぽかんとしていると ,


彼は 僕が 渡した袋と

同じ柄の 袋を 僕に差し出す .






ジ 「 誕生日 おめでと . 」










… うそ …








僕は 思わず その場で ,


袋を 開ける .










すると 入っていたのは






僕が君にあげたネックレス …



の , お揃いの 色をした ネックレス であった .



僕は それを 手に取り , 固まる .




ジ 「 あれ . お気に召さなかった ?? ‪w

ごめんて , ‪w 俺 と お揃いやっぱ やだったかぁ ~ … 」


る 「 ありがとうございます ッ !!! 」









僕は ジェル くんの 声を 完全に 無視し ,


その言葉を 放つ .



お揃い .


お揃い … !




そう思ッただけで , 胸の奥から 暖かい 感情が 込み上げてくるのを 感じ , へら , と 笑う .




なンだか , 今なら なんでも出来そう な 気分だ ッ た .




ジ 「 … 喜んでもらえたんなら 良かったわ .

てか これ 高いなぁ !? 」









… フッ ,












る 「 え ~ ?? 全然 高くないですよォ ~


もしかして , 金欠ですかぁ ?? ‪w 」



ジ 「 ば … ッ ‪w ちゃうて !! しょうがないやん 忙しいねん バイト出来ひんのや !」


必死に 弁明する ジェルくん .





… ほんと , なにそれ











嬉しすぎるんだよ .



ばぁか .
















11月











る 「 … ッ 」





キィィン …


と 五月蝿い ほど 鳴る

耳鳴り .





な 「 … ? どした るぅちゃん , 調子悪いん ?? 」






さすが なーくん .


後輩の 違和感に すぐ気付く .




る 「 ん ~ まあ 風邪って所ですかね .


最近 寝てないので … あはは.」





心配してくれるけど …



心配されている場合じゃないんだ …






もう 11月 .




最近は 全く ジェルくん に 会えないし , 自分も忙しいし , 色んなことが 精一杯 .



なにを 優先すべきなのか 。


そう考える 度 に , なんだか 頭が回らなくな ッ ていた .












る 「 げほっ ごほ … 」






咳まで出てきて , 熱も 少し出てくるようにな ッ た 今日この頃 .


オール は ここの所 2日続いている.


休んでる暇などないのに

休みたいという気持ちが最近は勝ッている .











フラフラ と 廊下 を 歩く .

保健室 … 保健室 …



せめて 熱でも 測ろうと , 保健室 の 階を 歩いていると













ジ 「 … あ , るぅと ~ 」

















目の前には ジェルくん がいた .


目の前にいるのに 声をかけられるまで 気付けないほど

弱 ッ ていることを 自覚すると ,



ジェル くんの 声を聞いて , 力が 抜ける .












ジ 「 … !!! るぅと !!!」












ガタァン !!!











廊下で 2人で倒れ込む








ジェル くん は 息を切らして ,


懸命に僕の名前を呼ぶ .







ジ 「 るぅと !!! るぅと !!! 」





あんなに 愛おしく聞こえる 君の声 .




今だけは …





すごく遠く聞こえた … .






































































る 「 ん … ッ … 」







目を開けると目の前に見えるのは





電灯の光 。だった .









次に見えたのは …








ジェルくん .











彼は ベッドの横で 椅子に座り , 窓によりかかって 眠りについていた .




… 君の前で倒れるなんて ,


僕としたことが 気を抜いていた .






まだ 起き上がると クラクラ とする .





… でも




ここに居てくれたんだね .



いままで .











る 「 … ありがとう … 」
























ジ 「 … んぁ … ? 」






ドキンっ










る 「 … あ ッ , ジェルくん …」




君は 僕の 顔を 目に映すと ,



ハッとしたように 我に返る .












ジ 「 … るぅと ??


だ , 大丈夫 !?


お前 俺の前で 倒れたんやで!? 」















る 「 … 大丈夫です .


ちょ ッ と 睡眠不足 ですよ . 」


心配させないようにと ,


ニコッと笑う .





ジ 「 … ほんま , あほやんな.」





… え ,




る 「 な , … 」












ジェル くんは ため息をつくと ,










ジ 「 どーせ , 徹夜続きやったんやろ ?



… だめやで .



るぅとが倒れたら , …








俺が寂しいし … 」










…え












る 「 … さみし … ??」






ジェル くんは ハッとして






ジ 「 … な , なんでもないで !!! あ , いや … ッ



と , とにかく !!!



今日は はよ寝るんやで !? 」











そう言い放って ,





保健室から 出ていく .


寂しい …













きゅうううぅぅん









寂しいッて何 !?


嗚呼 可愛い !!!



しかも 待ッて 嬉しすぎるぅ 泣











… 少しは



意識 , してくれてたりする … のかな .














12月












冬 . 真 ッ 盛り .







体調不良も 無事 治り ,



元気に作詞作曲中である !!!






… 今年ももう終わり .






来年は … いよいよ


卒業.




自分じゃないけどね‪w








… でも , 自分の事のように大切で , ドキドキして , そわそわして .


色々 心が 忙しい .




… 告白するなら



ここから 4月までの




5ヶ月 .









… もし 受験に合格したら ,
もう一生 会えないのかもしれない .






そンなの 絶対に いやだ .





かといって どうやって 言ったらいいのかも分からない .


僕は 彼とお揃いの ネックレス を 握り , 思いを込める .き ッ と もう ,


会えなくなったら


僕は これから や ッ て いけないかも しれない .





なんて ,


告白 した ッ て OK されるわけないし .



もう ほぼ 100% 無理ゲー なんだよね .




… 会いたいな .











人肌恋しくなるな 。



… あ ,






クリスマス …






… そう . クリスマス .





クリスマス ッ て , 恋人たちは 一緒に いる イメージ あるし …



もしかしたら … !!!












ジ 「 クリスマス ?? 空いてるで ~ ! 」




内心 , ぱぁあ と 心が晴れる .



る 「 いっ 一緒に過ごしません … !?」




相手の目が見れないまま , 早口で そう告げる .



彼は 直ぐに


「 ええで 」


なんて 返してくれた .


… どうしよう嬉しい



一緒にいられる … !!!







どうしよう , 何着てこう.

どこ行こうかな .

何食べたいかな .




今から 考えて

ワクワク が止まらないよ … !!!









そして



クリスマス当日








それは 信じられない 連絡 と共に ,


クリスマス は 始まった .















「 ごめん るぅと … ッ


今日 急に 用事 入ッて … !!!



ごめん 今日 行けへん . ほんまにごめん … , 」


























… そ ッ か …







しょうが , ないよね




こればっかりは …





















「 いいですよ ~ ,


また 今度です ッ 」







スマホで ゆっくりと 文字を打つ .









… ぽた ,





ぽたっ












る 「 … ッ , ぅ … ッ ,」








涙は 止まらなか ッ た .







なんで , なんでですか …


急用って なんですか … ッ





る 「 … うううぁ ッ … 」




泣いてた ッ て ,


どうにもならないこと



分か ッ てるのに …




































リンリンリン …


リンリンリン …

































る 「 … 」





僕は ジェルくん と 来るはずだった ショッピングモール の 傍で 街灯に照らされながら 歩いていた .






… 夜も 用事が あ ッ て 無理 .


なんて





… しょうがないことなのに .





こうなるの 分か ッ てないといけないのに .






来年からは …




もう会えないかもしれないのに …











トゥルルルル









びくんっ











スマホ が 鳴る .




なんだよ, こんな 時に ,









電話を とる 。








る 「 … なんですか ッ



僕今忙しいんですけど !!」





相手 が 誰だかも 分からないまま そう言い放つ .












ジ 「 … 怒ッてんの … ? 」




















… え ??










る「 … ジェル , く … ッ ? 」




ジ 「 … ごめん .


今何しとん ?? 」








彼の声を聞いただけで



泣きそうで





苦しくて …








る 「 … , ショッピングモール です . 」


ジ 「 ひとりで ? 」

る 「 … そうですよ !!

誰かさんが 急に 行けなくなった とか 言うから ッ …」






ジ 「 … 外寒い ??」




る 「 … . ??


寒い , ですけど …」



ジ 「 あ ~ だよな . 俺 室内 やけ 暖かい ~ ♡ 」




る 「 … 」






ジ 「 … ごめん .


悪かった .こんなに急に . ほんまにごめんな . 」












る 「 … ッ 」
























いいよ ッ て ,


言えない自分が 虚しかった 。







ジ 「 … あ , なァ みて , るぅと 雪 !!!」





その声と同時に 空を見上げる .




る 「… わ ッ …!!! ホントですね !!!」


白い 雪が かすかに 降った と思えば , あっという間に 地面は 白く 染まっていく .


ホワイトクリスマス だ .
































… … あれ ??






































る 「 … ジェルくん …



… なんで 雪降ってる ッ て
分かったんですか ?


さ ッ き 室内にいる … ッて … 」








ザク ザ ク ザク ザ ク …





真横から 聞こえてくる 足音 .


近付いてくる 電話の声 .









ふと 隣を見ると










ジ 「 … さて .













なんでやろね ?? 」













いたのは







オレンジ髪 の 君 .











僕は 声も出なかった.




る 「 … ぇ、… ッ?? 」









彼は へらっ と はにかむ 笑顔を 浮かべると ,






ジ 「 … ごめんな .


用事とか 嘘 」















… なんで ,



意地悪 .



どうして ??


なんでそんな嘘ついたの .











そう言う前に,





何も考えずに ぼくは







ジェルくんを 抱き締めていた.






ジ 「 … るぅと、 、 」






る 「 ばか !!!









ジェルくん の ばか , なんで , なんで … ッ !!! っぅ …


ふぅぁ … ッ っ ! 」








ボロボロ に なって , ジェル くんの 胸元で 泣く.





我慢していたものが零れ落ちるように







全てを吐き出した.






ジ 「 ごめんな … 辛かッたよな . さすがに やり過ぎた . ごめんな. 」











ふわり と 撫でてくれる 君の 大きい手 .






ほんと 許さない .









… 絶対に 好きにさせてやる .


















… 卒業 まで


あと 5ヶ月 .
















































































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